2023年3月28日(火) に、『アイゾウ』がスペシャルドラマとして放送され、実際に起きた未解決の殺人事件を元にして制作されていることから、多くの視聴者が元ネタの事件に興味を持ちました。
本記事では、アイゾウ「奇跡の親子」のあらすじやキャスト、そして元ネタとなったディーディー・ブランチャード殺人事件の概要や現在の状況について解説します。
また、ドラマの悲しい結末についても触れ、筆者自身の感想を交えて紹介します。
\アイゾウを1話から復習してみる/
アイゾウ「奇跡の親子」あらすじ
事件は、小寺翔子(加藤小夏)の母、小寺知世(芳本美代子)が自宅で亡くなっているところから始まります。
知世は、筋ジストロフィーという病を抱え、車椅子生活で知的障害もある娘・翔子を支えながら暮らしていました。母娘は大きな災害(洪水)から生還したことで、「奇跡の親子」として知名度の高い親子でした。
知世の死後、彼女のSNSに「クソ女は死んだ」という書き込みがされたことで、警察はある男を容疑者として追跡を開始します。
一方、安座間らは翔子に話を聞くため、障害者支援施設・恩光園を訪れていました。知的障害と運動障害を抱える翔子は母の死を知らされておらず、証言を得ることが難しい状況です。その代わりに、施設長の芦野ふみ(小沢真珠)に話を聞くことになります。
アイゾウSPドラマ「奇跡の親子」のキャスト&ゲスト紹介
- 安座間霧子(夏子)
- 久世麟太郎(津田寛治)
- 三好慧(水石亜飛夢)
- 多賀谷湧(駒木根葵汰)
- 小寺知世(芳本美代子)
- 芦野ふみ(小沢真珠)
- 小寺翔子(加藤小夏)
「奇跡の親子」元の事件(実話)の詳細!ディーディー・ブランチャード殺人事件とは?
“奇跡の親子”の元の事件(実話)は、2015年、アメリカ・ミズーリ州で起きた“ディーディー・ブランチャード殺人事件”です。
ディーディー・ブランチャード殺人事件の概要
2015年6月14日の深夜、ミズーリ州グリーン郡の警察官が、ディー・ディー・ブランチャード(アイゾウ:小寺知世(芳本美代子))の自宅の寝室で、彼女が数日前に刺された状態で倒れている遺体を発見しました。一方、ディー・ディーの娘であるジプシー・ローズ(アイゾウ:小寺翔子(加藤小夏))は行方不明でした。
母娘の隣人が、ディー・ディー・ブランチャードのSNSで「クソ女は死んだ」という投稿を見つけ、警察に通報しました。ジプシー・ローズは車いす生活をしており、重い障害を持っているため、誘拐された可能性があったと思われました。警察はジプシー・ローズのオンラインで知り合った恋人のニコラス・ゴデジョンに疑いを向け、彼女らがウィスコンシン州で一緒にいるところを発見しました。
警察の捜査により、ジプシー・ローズは実際には成人しており、ディー・ディー・ブランチャードが言っていたような障害は持っていないことが明らかにされました。つまり、ジプシー・ローズは、被害者である母親から身体障害者や重い病気であるかのように言われていたことが判明しました。保護されたジプシー・ローズは病院で診察を受けましたが、障害や病気は持っていなかったことが判明しました。
ジプシー・ローズが母親を殺害した理由と現在の状況
インターネットだけが、外とつながりがもてる手段だった中で、ジプシー・ローズはニコラス・ゴデジョンと出会い、惹かれていきました。そして、母親の虐待から逃げ出したいと考えるようになりました。
結局、恋人のニコラス・ゴデジョンはジプシー・ローズを助けるために、ディー・ディー・ブランチャードを殺害した。その時、ジプシー・ローズは別の部屋で殺害の様子を耳にしていました。
後日、取材を受けたジプシー・ローズは、母親が殺される時には「止めて欲しい」と思ったと語りました。最終的に、ジプシー・ローズは第二級殺人で有罪となり、10年の刑に服しています。また、実行犯であるゴデジョンは第一級殺人で有罪となり、終身刑に服しています。
ディーディー・ブランチャード殺人事件に対する世間の一般的な感想
の事件は、母親が娘に対して長年にわたって虐待を行っていたことが明らかになり、多くの人々に衝撃を与えました。
事件に対する人々の反応は分かれています。ジプシー・ローズが自分自身を守るために犯罪を犯したと同情する人と、やはり殺人は許されないと考える人がいます。
母親の虐待が事件を引き起こしたことについては、多くの人々が怒りや悲しみを感じているようです。
ディーディー・ブランチャード殺人事件|ドキュメンタリー映画の紹介
衝撃的なディーディー・ブランチャード殺人事件は、2017年に「Mommy Dead & Dearest」というタイトルで、ドキュメンタリー映画化され、高い評価を得ました。
ジプシー・ローズの母親ディーディー・ブランチャードの殺害事件を取り上げ、事件の背景や事件後のジプシーの人生に迫るドキュメンタリー映画となっています。英語での鑑賞となりますが、DVDの輸入盤が日本(amazon)で入手可能です。
アイゾウ警視庁「奇跡の親子」- 悲しい結末と私の感想
まず犯人である娘ジプシー・ローズが、刑務所での方がきれいになっていることが、悲しく思えました。母親のもとにいた時には、本当に障害をかかえているように見えたし、それだけ彼女が虐待されていたからに違いないと思ったからです。
また、娘自身は「刑務所では今まで知らなかった自由を味わっています」と語っています。普通は刑務所に行くことは怖いことであり、避けたいものです。でも、ジプシー・ローズにとっては、刑務所に行く以上に母親が怖かったし、逃れたかったということですよね。これは本当に悲しいことだと感じました。
また、SNSに酷い書き込みをしたのは、犯人である娘自身でした。この理由を、彼女は「母の遺体を早く見つけて欲しかった」と語っています。母親を殺すことを恋人に頼みながらも、心の底では母親を愛していたのです。これはまさに「愛憎」と言えます。
殺人は家族の間で起きることが多いとも言われています。私たちも本当に悩むのは、他人のことではなく家族のことです。他人からは逃れられても、家族の悩みからは簡単に逃れられないからです。
ジプシー・ローズは「(誰かに)助けを求めるべきだった」と言っていますが、子どもの頃から長い間虐待を受けてきた彼女は、その発想を刑務所の中で初めて身につけたのかもしれません。
このインタビューの中で、ジプシー・ローズは母親 ディーディー・ブランチャードのことを「ムンヒハウゼン症候群だった」と語っていましたが、被害者がムンヒハウゼン症候群だったとされる情報は公式に発表されていないとのこと。
被害者がどんな状況にあったとしても、事件においては、被害者が虐待を行ったという事実が重要なポイントとなるようです。
報道によると、ジプシー・ローズの刑期は2024年までであり、この時点で釈放される可能性があるということが報じられています。彼女は殺人と言う重い罪を犯してしまいましたが、ジプシー・ローズが今後の人生を幸せに生きて欲しいなと思ってしまいました。
アイゾウ警視庁「奇跡の親子」は、子どもを育てることについて考えさせられる作品でした。