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東野圭吾原作「マスカレードゲーム」結末ネタバレ感想|面白くない?犯人は?新田(木村拓哉)の今後と映画化について

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マスカレードゲーム ネタバレ 感想

東野圭吾原作のマスカレードシリーズ4作目「マスカレードゲーム」を読んだので、結末までをネタバレ!

「マスカレードゲーム」は、2025年に映画3作目として撮影がスタートする予定と言われている作品です。

はちこ
はちこ

「マスカレードゲーム」のラストでは、新田(木村拓哉)に大きな転機が訪れます!もしかしたら「マスカレードゲーム」は、映画化される最後の作品になるかもしれません(理由は「新田(木村拓哉)の今後をネタバレ」に書いています)

長文なので目次をご活用ください。

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\マスカレードゲーム発売記念動画/

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マスカレードゲームの簡単なあらすじ

バラバラに起きたとみられていた3つの殺人事件にある共通点が見つかります。それは殺害方法と、被害者が3人とも過去に人を死なせていたことでした。

事件を連続殺人として捜査する中、被害者遺族たちがホテル・コルテシア東京に宿泊すると判明します。被害者遺族たちが協力し合って、交換殺人を行っている可能性が出てきました。

またもや潜入捜査することになった新田浩介(木村拓哉)は、ホテルとの信頼関係を重要視するも、梓警部は強引な捜査をし、上層部もそれを黙認。そんな中、山岸尚美(長澤まさみ)が海外から警察との連携役として戻ってきました。

かつて正反対だったバディは、以前とは違い、お互いを理解し合いながら捜査をすすめます。しかし、被害者遺族たちはホテル内で接触することもなく、謎は深まるばかりです。

被害者遺族たちはなぜホテルに集まったのか?事件は本当に交換殺人なのか?またもやホテル・コルテシア東京が選ばれた理由とは?

マスカレードゲーム登場人物(キャスト)

警察・ホテル関係者

  • 新田浩介(木村拓哉)…捜査一課係長(警部)
  • 稲垣(渡部篤郎)…管理官
  • 本宮(梶原善)…先輩刑事、捜査一課係長(警部)
  • 梓真尋…捜査一課係長(警部)
  • 能勢(小日向文世)…現在は梓の部下(警部補)引退が近づいている
  • 尾崎(篠井 英介)…捜査一課長
  • 関根(泉澤祐希)…巡査部長
  • 藤木(石橋凌)…コルテシア東京総支配人
  • 久我(東根作寿英)…宿泊部長
  • 中条…フロントオフィスマネージャー
  • 岩瀬…新田の部下
  • 沢崎弓枝…ホテルの客
  • 佐山涼…弓枝の連れている怪しげな男
  • 三輪葉月…新田の大学時代の同期で、元検察官の弁護士
  • 山岸尚美(長澤まさみ)…ロサンゼルスからコルテシア東京に呼び戻された

事件関係者

  • 入江悠斗…被害者
  • 高坂義広…被害者
  • 村山慎二…被害者
  • 神谷文和…入江悠斗の暴行により1年後に死亡
  • 神谷良美…神谷文和の母親
  • 森元俊恵…高坂義広により強盗殺害
  • 森元雅司…森元俊恵の長男
  • 前島唯花…元カレである村山慎二によるリベンジポルノで自殺
  • 前島隆明…前島唯花の父親

「マスカレードゲーム」原作ネタバレ|犯人は?

「マスカレードゲーム」の口コミを見てみる

※画像は映画マスカレードホテル、マスカレードナイト公式からお借りしています
※無断転載はご遠慮ください

入江悠斗の殺害

溶接工の入江悠斗が殺害され、新田浩介(木村拓哉)は捜査担当になります。現在の入江悠斗に人間関係のトラブルなどの形跡はありません。

新田は、入江悠斗が起こした過去の事件に着目します。入江悠斗は、17歳の頃、少年院送りになったことがあったのです。

入江悠斗は、自転車のとめ方について注意してきた神谷文和に暴行を加え、植物状態に。文和は1年後に死亡していました。

そこで、文和のたった一人の家族であった母親神谷良美に疑惑の目が向けられることになります。

連続殺人事件の可能性

稲垣(渡部篤郎)管理官に呼ばれて行くと、先輩刑事の本宮(梶原善)警部と、強行犯捜査を担当する警部らも集められていました。

上層部は、新田(木村拓哉)たち3人が別々に担当している事件が、同一犯による可能性が高いと言うのです。

理由は、殺害方法が共通している上に、被害者の3人全員が過去に事件を起こし、人の命を奪っていたからでした。

高坂義広と村山慎二の起こした事件

本宮(梶原善)の担当している高坂義広は、20年前に強盗殺人を犯し、出所したばかりでした。殺害されたのは、主婦の森元俊恵。遺族は死刑を望んでいましたが、高坂が当時20歳だったことから、たったの20年と言う短い刑期で出所していたのです。

梓と部下である能勢(小日向文世)が担当している村山慎二は、元彼女前島唯花にフラれた腹いせに、全裸画像をネットに公開。中学3年生だった唯花は、引きこもりの後、自殺をしていました。

事件の動機は「復讐」だと考えられますが、遺族である神谷良美、森元雅司(森元俊恵の長男)、前島隆明(前島唯花の父親)たちには、全員事件当日のアリバイがあったのです。

クリスマスイブ、ホテル・コルテシア東京に集まる遺族

遺族に尾行をつけている中、神谷良美がホテル・コルテシア東京にチェックインしたと連絡が入ります。コルテシア東京は、過去2回も新田(木村拓哉)が潜入捜査をしたホテルでした。

あれから何年もたち、協力者であったコンシェルジュの山岸尚美(長澤まさみ)の姿はありません。久我(東根作寿英)を呼んでもらうと、久我は出世により宿泊部長になっていました。

新田は過去の事件で築き上げたホテルとの信頼関係により、特別に久我個人から宿泊者と予約者のリストを見せてもらいます。驚いたことに、リストの中に被害者遺族の前島隆明と森元雅司の名前もありました。

被害者遺族は共犯者なのか?またもやホテル・コルテシアが舞台に

過去に人を死なせた人間が連続して殺され、関係している被害者遺族が3人そろって同じホテルに泊まることは、とても偶然とは思えません。警察は、3人が共犯であり、他にも協力している人間がいる可能性があるとします。

■警察の推測■

  • 裁判結果に納得できない被害者遺族たちが、ネットなどで知り合い、協力して裁きを下している
  • ホテル・コルテシアで集まったのは、犯行の一部であり、殺人は続く可能性がある

新田がホテル側に、この推測を説明し、またもや警察はホテルへの潜入捜査をすることになったのでした。

梓警部の捜査

新田(木村拓哉)は過去の経験から、潜入捜査には、ホテルとの信頼関係が大切だと考えています。しかし、梓警部は事件解決を優先し、勝手に隠し撮りなどの違法捜査を始めていました。

ホテルとの信頼が崩れれば、捜査は出来なくなると忠告したものの、梓は聞く耳を持たず、新田への反発心をあらわにしました。

神谷良美、森元雅司、前島隆明の共通点はわからないまま、森元雅司がホテルにチェックインしてきました。神谷良美と森元雅司の2人はバーに入ったものの、接触どころか視線を交わすこともありませんでした。

新田(木村拓哉)の引っ掛かり

新田には引っ掛かることが2点ほどありました。

  • 犯罪を計画しているのに、3人が偽名を使わずホテルを利用していること
  • ローテーションで復讐をしているとして、先に恨みを晴らしてもらった人(例えば神谷良美)は逃げようと思わなかったのか?

この疑問について、能勢(小日向文世)は、

  • 偽名を使った方がリスクが高いと判断した
  • 強い絆により団結している

と解釈しますが、新田はどうもしっくりこないのでした。

山岸尚美(長澤まさみ)の帰国

マスカレードシリーズ最新作 ネタバレ

隠し撮りを続ける梓の危険性について、管理官の稲垣(渡部篤郎)に進言するも、新田は取り合ってもらえません。そんな中、支配人の藤木(石橋凌)により山岸尚美(長澤まさみ)が警察との連携役として、コルテシア東京に戻ってきました。

そんな山岸尚美に、梓部長はさっそく「前島隆明が予約している部屋を見せて欲しい」と要求します。部屋を見る目的も語らず、新田にも知らせていないと知った山岸尚美は、梓の要求を断りました。

苛立った梓は「捜査に口出しせず、おとなしく協力しないと後悔するわよ」と捨て台詞を残して去ってしまいました。

稲垣(渡部篤郎)が梓に許可を出し

マスカレードゲーム キャスト ネタバレ
稲垣(渡部篤郎)と尾崎(篠井 英介)

山岸尚美(長澤まさみ)が連携役になり、新田(木村拓哉)がホッとしたののつかの間、ハウスキーパーとして潜入していた部下岩瀬が、梓と交代させられたと知らされました。その件を稲垣(渡部篤郎)は「決定したのは俺だ」と言います。時間がないため、稲垣は梓のやり方を選ぶしかなかったのです。

山岸尚美は、梓を疑い、ホテル側の本物のハウスキーパーに、潜入捜査官が掃除の際に神谷良美や森元雅司の荷物を触らないか見張らせていました。しかし、山岸尚美の話を聞いた新田は、梓の狙いを見抜きます。

梓は、前島隆明が宿泊する予定の部屋のベッドに盗聴器を仕掛けていたのです。梓の元へ乗り込んだものの、稲垣や本宮(梶原善)が承知していると理解した新田には「ホテル側には気づかれないようにしてください」としか言えませんでした。

前島隆明がチェックイン

娘の唯花をリベンジポルノで亡くした前島隆明がホテルにやってきました。山岸尚美には、前島がとても人殺しを企んでいるようには見えません。

しかし新田は山岸尚美に

今回の犯人たちは、ごく普通の人間です。ある意味、きわめて真面目で誠実な人間なのです。

と説明します。神谷良美、森元雅司、前島隆明の憎むべき相手は、すでに死んでいます。この事件が交換殺人だとすれば、彼らは逃げることなく使命を果たすためにホテルにやってきたことになります。

まして、今夜はクリスマスイブ…レストラン経営者である前島隆明は、忙しい店を留守にしてまで、ホテルへやってきていました。

沢崎弓枝と怪しげな男

クリスマスイブで慌ただしいホテルに、派手な女性客沢崎弓枝がやってきます。フェンディの服を身に着け、新作のプラダのバッグからゴールドカードを取り出し、ドンペリとフルーツの盛り合わせにキャビアのルームサービスを頼む沢崎弓枝が、裕福なのは間違いありません。

しかし、沢崎弓枝が連れている男は、目つきも悪く、フェイクレザーを着ており、まるで釣り合っていませんでした。

ベルボーイに扮した関根(泉澤祐希)と、沢崎弓枝宛てに届いた荷物を確認させると、弓枝自身が神奈川県三浦市から「衣類」として送った段ボールだとわかります。弓枝はすでに大きなスーツケースを持っていたため、新田(木村拓哉)は不信感を覚えます。

新田は関根に段ボールを運ばせ、沢崎弓枝たちを観察するように指示するのでした。

森元雅司のブログ『不可解な天秤』が見つかり

梓の指示で動いていた能勢(小日向文世)がサイバー犯罪のプロと連携し、森元雅司のブログ『不可解な天秤』を見つけだします。森元はブログ開設の動機を

この国には、人を殺しておきながら死刑や無期懲役にならず、刑期が二十年以下と言うケースがざらにあります。(中略)私はこのブログを通じて、いかにこの国の刑罰決定システムが理不尽であるか、それによって被害者遺族がどれほど苦しめられるかを訴えていきたいと考えています。

マスカレード・ゲーム148ページ

と書いていました。

ブログの中には、森元自身が母親を殺された事件の判決結果への想いや、高坂義広が殺害されたことへの困惑だけでなく、神谷文和や前島唯花の事件についても書かれていました。

警察は、被害者遺族3人がつながったのは、『不可解な天秤』がきっかけだったと推理。

彼らがホテルに集まった目的は、どこかのタイミングで計画を明かし、注目されることで、問題提起することではないか?

と考えるのでした。

新田(木村拓哉)の大学同期、三輪葉月がホテル客に

ホテルマンに扮した新田に、女性客が話しかけてきます。女性客は三輪葉月、新田の大学時代の同期で、警視庁に入ったことを知っていました。

山岸尚美(長澤まさみ)の機転により、新田は転職してきたことにしますが、三輪葉月を納得させることはできませんでした。

しばらくして三輪葉月からフロントに「お願いしたいことがあるので新田に来て欲しい」と電話が入ります。警戒しつつ部屋を訪れると、三輪葉月は沢崎弓枝と一緒にいた男佐山涼の行動を教えて欲しいと頼みます。

検察官を辞め弁護士になった三輪葉月は、結婚詐欺の疑いをかけられた依頼人のために佐山涼を追ってきたと言うのです。意外な形で、沢崎弓枝の連れている男の本名がわかり、調査したところ、佐山涼には2年前に大麻取締法違反で逮捕歴がありました。

佐山涼について

新田は三輪葉月に、佐山涼と一緒にいる沢崎弓枝について、当たり障りのない情報を提供しておきます。その際、佐山涼が過去に人が死ぬような事件を起こしていないか探りをいれますが、ギタリストでマリファナパーティーで逮捕された過去がある程度のことしか知らないようでした。

とは言え、間接的に誰かの死にかかわった可能性もあるため、佐山涼には監視がつくことになります。さらに、関根(泉澤祐希)が、「派手な格好の男女3人組が沢崎弓枝と佐山涼の部屋番号を探していた」と報告。部屋でマリファナパーティーを開く恐れもあり、ホテル側も様子を見ることになりました。

山岸尚美(長澤まさみ)の怒り

『小林三郎』と言う名で予約した男性の登録した電話番号が、実は『沢井清一』の名義であるとわかります。

そんな中、森元雅司が外出をしたと報告が入り、山岸尚美(長澤まさみ)の立ち合いのもと、新田(木村拓哉)と梓の部下が部屋の中を調べることになりました。

その際、梓の部下がベッドの下から盗聴器を拾ったところを、山岸尚美が目撃してしまいます。盗聴器の件を新田も承知していたと知った山岸尚美は、激怒。新田たちを部屋から追い出すのでした。

神谷良美の言葉

梓が仕掛けた盗聴器により、森元雅司は息子の交通事故でホテルを出たとわかります。予期せぬアクシデントにより、彼らの計画が変わる可能性が出てきました。

山岸尚美(長澤まさみ)が、神谷良美の部屋に入り、盗聴器を回収しているところへ、本人が戻ってきました。神谷良美は特に山岸尚美を疑うこともせず、部屋に飾った息子の写真について語り始めます。泣きながら「誰かを、この手で殺したいほど憎んだことがある?」と山岸尚美に聞いた神谷良美は

憎しみなんてね、人生にとって何の足しにもならない。ただの重たい荷物。早くそんなものからは解放されたい。だけど、その荷物を下ろす方法は一つしかない。ところが私の場合、それも失ってしまった

マスカレード・ゲーム221ページ

と続けるのでした。

この言葉を聞いた山岸尚美は、神谷良美が恨みを晴らすために人殺しをするとは思えないと、新田(木村拓哉)に伝えます。しかし、新田は警察官として、神谷良美の言葉が本心ではなく、演技だった可能性もあると答えます。

ホテルで過去に起きた事件で、犯人に騙され危険な目にあった過去がある山岸尚美は、新田の言葉を受け止めつつも、やはり神谷良美を信じたいと思うのでした。

前島隆明の部屋にて

食事に出た前島隆明の部屋に向かった、新田(木村拓哉)と山岸尚美(長澤まさみ)の前に、またもや梓の部下が現れます。そして、「梓から」と言って、金属探知機を渡してきました。

盗聴器を回収した後、新田が金属探知機を使ってみると、ブリーフケースに反応が見られました。山岸尚美に懇願され、新田はブリーフケースの中身を確認しないことにします。

しかし、前島隆明は狩猟免許も持っており、経営するレストランの名物は、ジビエ料理刃物になれていることから、実行犯である可能性が極めて高くなりました。

『小林三郎』の正体

息子の事故のため森元雅司はチェックアウトしてしまいました。神谷良美は非力であり、実行犯は前島隆明に違いないと思われる中、ブログ『不可解な天秤』から重要な記事が見つかります。

森元雅司はブログの中で、刑法第39条

  1. 心神喪失者の行為は、罰しない。
  2. 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

について、「納得ができない」とし、一つの事件について意見を述べていました。

大畑誠也殺人事件

それは、大畑誠也という大学生が、恋人である20歳の女『長谷部奈央』に殺害されたという事件でした。意識を失う直前に大畑誠也は119番通報したものの、救急隊が到着した時には心肺停止に。その傍らには、左腕に無数の切り傷をつけ、血を流した女が倒れていました。

凶器の指紋などから、女は逮捕されましたが、不起訴になったのです。女が、大量の精神安定剤を服用しており、犯行時の記憶をなくしていたからでした。

森元雅司は、

薬物を大量摂取すれば精神に異常をきたすことは当然であり、刑法第39条を適用し、刑事責任がないとするのはおかしい

と、問題提起していました。

大畑誠也の遺族である両親の写真を見た新田は、父親である『大畑信郎』が『小林三郎』であると気がつきます。ローテーション殺人であるとすれば、大畑夫妻がホテルにいることから、ターゲットは『長谷部奈央』ではありません。

共犯者がさらに増える可能性がでてきました。

本当にローテーション殺人なのか?

新田(木村拓哉)は、山岸尚美(長澤まさみ)との会話をきっかけに、被害者遺族3人のアリバイが計画的に用意されたものではないと判断します。そうなると、ローテーション殺人であるという仮説がゆらいできました。

大畑誠也殺人事件の加害者である『長谷部奈央』に落ち度はあるものの、被害者は浮気を隠そうともしない男であり、それが原因で『長谷部奈央』は精神安定剤を服用するようになっていました。

『長谷部奈央』には同情の余地があり、神谷良美たちが復讐に賛成するとは思えません。相変わらず、被害者遺族同士が接触する様子もなく

彼らはいったい何のためにホテルに集まってきたのか?

疑問は深まるばかりでした。

大畑夫妻への尋問

新田(木村拓哉)は、監視カメラの映像から、大畑夫妻が海外から戻ったばかりだと気がつきます。調べた結果、大畑夫妻は1か月前に出国し、イギリスから戻ったばかりでした。

つまり、大畑夫妻は過去3つの事件に関与していないということになります。そこで、新田たちは『マルチバランス』の名で大畑を呼び出し、夫婦を別々に尋問することにしました。

『ファントムの会』

大畑信郎は、息子に非があると認めつつも、命まで奪われたことに理不尽さを感じていました。被害者遺族の情報交換サイトをのぞく中、『不可解な天秤』を見つけたのです。

マルチバランスこと森元雅司と交流を深めるうちに、特別なアプリを使用した『ファントムの会』に誘われます。『ファントムの会』には、神谷良美=『無念母』、前島隆明=『ハート料理人』として参加していました。

メンバーたちは力を合わせて、犯人たちの情報を収集、交換していたのです。大畑信郎は『リトルマン』として参加し、長谷部奈央の名前を含め、息子の事件の詳細を書き込みます。すると、メンバーみんなが同情してくれました。

尾方道代との出会い

同じころ、大畑信郎は教会で尾方道代という女性と出会います。尾方道代は、無免許運転をしていた少年に、小学生の娘をひき殺されたと語りました。

親交を深める中で、尾方道代も『デスマスク』というハンドルネームで、『ファントムの会』に参加することとなります。しばらくして、尾方道代は、楽し気に暮らしている長谷部奈央のSNSアカウントを見つけてきました。

次々と犯人たちが殺されて

大畑信郎は、長谷部奈央への複雑な思いを吐き出し、メンバーたちから同情されることで、少しだけ救われた気持ちになっていました。

そんな時、入江悠斗が殺されたのです。神谷良美は事件について

入江悠斗を憎んでいなかったといえば嘘になります。では死を望んでいたかと問われると答えに悩みます。私は彼に償ってほしかったのです。

マスカレード・ゲーム311ページ

と書き込みました。そして、2週間後には高坂義広、4日後には村山慎二が殺されたのです。森元雅司、神谷良美、前島隆明は「事件には無関係」と宣言するものの、『ファントムの会』が無関係だとはとても思えませんでした。

被害者遺族がホテルに集まった理由が明らかに

『ファントムの会』で、殺人はまだ続くのか?という話題になった頃、大畑信郎は長谷部奈央のSNSで、驚くべき投稿を目にします。

クリスマスの日に、アメリカに行くことになり、1年帰らない。
イブの日はコルテシア東京で、贅沢に楽しむ。

と、長谷部奈央は書き込んでいました。大畑信郎は、謎の暗殺者が長谷部奈央を標的にするのではないかと思い、コルテシア東京へ長谷部奈央を探しに来たのです。

大畑信郎は、他のメンバーがホテルに泊まったり、警察に通報するかもしれないことも予想していました。

長谷部奈央と沢崎弓枝、そして尾方道代

大畑信郎から長谷部奈央のSNSを見せてもらった新田(木村拓哉)は、ギョッとします。そこには沢崎弓枝が写っていたからです。大畑誠也を殺した時は地味な印象だったため、沢崎弓枝が長谷部奈央だとは気がつきませんでした。

さらに大畑信郎の話と監視カメラの映像から、尾方道代が実は三輪葉月であることもわかります。新田は、自分の正体を明かし、三輪葉月を問い詰めることにしました。

三輪葉月がホテルに来た理由

三輪葉月がホテルに来たのは、長谷部奈央を心配してのことでした。三輪葉月と長谷部奈央は、精神障害のある人たち向けの施設で共同生活をしていたのです。

長谷部奈央は本当に記憶をなくしており、何に対して懺悔や反省をしたらよいかわからず、そのこと自体を『罪』と感じ苦しんでいました。また、長谷部奈央は大畑誠也の遺族のことも気にかけていました。そこで、三輪葉月は元検事のコネを使い、調査をしたのです。

そして、『尾方道代』として、大畑信郎に接触。長谷部奈央に、大畑信郎がどのように事件について思っているかなどを全て伝えていました。

ところが、三輪葉月は『ファントムの会』のことは知りませんでした。『デスマスク』のハンドルネームで参加していたのは、長谷部奈央自身だったのです。

三輪葉月は、同じ施設にいた佐山涼から、長谷部奈央の行動を聞いて、心配になりコルテシア東京へやってきたのです。

「マスカレードゲーム」の結末をネタバレ!新田(木村拓哉)の今後も

映画「マスカレードホテル」より

犯人の目的

犯人である長谷部奈央は、『ファントムの会』に参加する中で、メンバーにかわり復讐を果たすことが役目だと思うようになりました。最後は、自分も命を絶つつもりでしたが、新田(木村拓哉)の説得により未遂に終わり、逮捕されました。その際、山岸尚美(長澤まさみ)は右腕にケガを負っています。

コルテシア東京が選ばれた理由

またもやコルテシア東京が事件の舞台になったのには理由がありました。長谷部奈央は、三輪葉月から「コルテシア東京は世界で最も安全と言わている」と聞いていたのです。

世界で最も安全なホテルで、他殺に見えるように死ねば、大きなニュースになる。
被害者たちの共通点が明かされることで、被害者遺族たちに注目を集めることができる。

これが長谷部奈央がコルテシア東京を選んだ理由でした。

また長谷部奈央がSNSで、派手な格好をし、アメリカ行きやコルテシア東京に泊まることを書いたのは、被害者遺族たちを招待する意味もありました。

新田(木村拓哉)の今後をネタバレ

新田(木村拓哉)は、警察の捜査方法が問題視されたことの責任を取り、辞表を提出。
が、総支配人の藤木(石橋凌)により、コルテシア東京に新設される警備部マネージャーにスカウトされました。

はちこ
はちこ

これからもコルテシア東京で大きな事件が発生し続け、新田(木村拓哉)が潜入捜査すると言う設定は無理があるのでは?
マスカレードシリーズはこれで終わりか?
と危惧していましたが、新田は本物のホテルマンになることに。

この先は、ホテル内で起きる小さな事件の短編集なども期待できそうです。

ただ、短編で大きな事件が起きないとなると、映画化は難しくなるかもしれませんね。

>>>東野圭吾原作作品ネタバレ記事一覧

感想「マスカレードゲーム」面白くない?「私的制裁について」

私は面白いと思いました。トリック的な面白さはありませんが、法律についてや被害者遺族の気持ちについて非常に考えさせられる作品です。

ほとんどの方は「マスカレードゲーム」を、被害者遺族側の立場で読み進めるのではないでしょうか?世の中で理不尽な事件が起きた時も、犯人側の立場ではなく、たいていの場合、被害者や被害者遺族の立場になってしまいますよね。

法律は必要だし、守らなくてはなりませんが、神谷良美、森元雅司、前島隆明の立場を想像すると

私的制裁をしたくなる気持ちはわかる

と思ってしまいます。

しかし、東野圭吾さんは、神谷良美にこんなことを言わせています。

憎み続ける自分のことが、ひどく卑しい人間のように思えて、だんだんと嫌いになっていくんです。だけど『ファントムの会』に入って、自分だけじゃない、みんなそうなんだと知り、ほっとしました。憎しみっていうのは心の弱さから生じるものだろうけれど、その弱さを恥じる必要はないんだと思えるようになりました

マスカレード・ゲーム357ページ

この文章を読んだ時、私は被害者遺族の気持ちを本当の意味で理解しきれないと思ったんです。家族を殺されたら、犯人を憎み続けるのは当たり前だと思い込んでいたからです。

神谷良美は、入江悠斗が反省していなかったために、別の人が復讐で殺害したのだとしたら、息子の死が無駄になるから悲しいとさえ言っています。入江悠斗は、長谷部奈央が代理で復讐したことで殺されてしまいましたが、実は改心していました。そのことを新田(木村拓哉)から教えられ、はじめて神谷良美は救われるのです。

また、精神鑑定についても、その精度について、非常に懐疑的でした。

はちこ
はちこ

そもそも、心神喪失だろうが心神耗弱だろうが、罪は等しく償うべきでは?

とさえ考えていたからです。『目には目を歯には歯を』が当たり前だと言う思想です。しかし、マスカレードゲームの終盤で語られる長谷部奈央の供述を読むと「大畑誠也が刺されたのは自業自得なところはあるよなぁ」と思ってしまいました。

東野圭吾さんの本を読むと、自分の中の「正しさ」が揺らぐ瞬間が多くあります。マスカレードゲームに登場する三輪葉月も、検察官⇒弁護士を経て

裁判なんて、罪の重さを賭けた検察と弁護側のゲームに過ぎない。
罪を犯した人間の内面なんて誰も考えちゃいない。

と気がつき、心を病んでいきました。

「正しさ」は人それぞれ…と頭ではわかっても、やっぱり「村山慎二みたいなクズは〇んで当然」とか思っちゃうんですけどね。

以上、『東野圭吾原作「マスカレードゲーム」結末までネタバレ|面白くない?犯人は?新田(木村拓哉)の今後』でした。

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