2023年に佐藤浩市さんと横浜流星さんが主演の映画【春に散る】が公開されるにあたって、沢木耕太郎さんが書いた原作を読んでみました。
【春に散る】はボクシングをテーマにしたお話です。
私はボクシングには全く興味関心がないどころか
「え?殴り合いでしょ?ヤンキーあがりの人も多いし、なんなら嫌いだな」
とさえ思っていました。
が、【春に散る】を読んで
「ボクシングって頭が良くないと勝てないスポーツなんだ!」
と、イメージががらり。
上下巻427+419ページを丸二日で読んでしまうほどに面白かったです。
映画【春に散る】キャスト
映画【春に散る】では、主人公の元ボクサー広岡仁一を佐藤浩市さんが、そして広岡仁一からボクシングを教わる黒木翔吾を横浜流星さんが演じます。
もともと格闘技をやっている横浜流星さんに黒木翔吾の役はピッタリどころか、他に演じられる役者さんはいないと言っても過言ではないと思いますよ。
黒木翔吾、超かっこいいっす🥊
その他のキャスト:坂東龍汰、哀川翔、窪田正孝、山口智子
【春に散る】原作登場人物(映画キャスト)
- 広岡仁一(佐藤浩市) 真田拳闘倶楽部 元四天王(ウエルター級)
- 黒木翔吾(横浜流星) 広岡仁一たちが指導することとなった若きボクサー
- 藤原次郎 真田拳闘倶楽部 元四天王(ライト級)
- 佐瀬健三(片岡鶴太郎) 真田拳闘倶楽部 元四天王(バンタム級)
- 星弘(志) 真田拳闘倶楽部 元四天王(フェザー級)
- 土井佳菜子(旧姓 六浦)(橋本環奈) 進藤不動産の事務員
- 真田浩介 真田拳闘倶楽部 元会長
- 真田令子 真田拳闘倶楽部 現会長
- 大塚俊 真田拳闘倶楽部 現在のホープ
- 宇佐見薫 弁護士
- 宇佐美雅世 薫の母親
- ケン・シロタ ホテルのオーナー
- 中西利男 ボクサー
- 山越ハヤト 東洋太平洋チャンピオン(石坂ジム)
- 星真琴 星弘の亡くなった妻
- 黒木正一(旧姓 羽佐間) 黒木翔吾の父
【春に散る】原作(上)ネタバレあらすじ
広岡仁一(佐藤浩市)は、その昔、日本ではかなり有望視されていたボクサーでした。
アメリカに渡り、世界一のボクサーを目指していた広岡でしたが、結局ボクシングの道を諦めることとなり、現在はホテルに関わる仕事をしています。
アメリカにきてから40年、広岡は一度も日本に戻ったことはなかったのですが、心臓の病気にかかったことを機に、故郷へ戻ってみることにしました。
日本に戻ってみると、かつて「お嬢さん」と呼んでいた真田令子が跡を継ぎ、真田拳闘倶楽部(真拳ジム)の現会長に。
真拳ジムで広岡は、自分を含めて四天王と呼ばれ、仲良くしていた仲間たちの消息をたずねます。
- 藤原次郎
- 佐瀬健三
- 星弘
3人の中で唯一居場所がわかったのは、傷害事件を起こして刑務所にいるという藤原次郎だけでした。
真拳ジムからの帰り道、広岡は以前から知っていた進藤不動産に寄って、部屋を借りることに決めました。
広岡は進藤不動産で、若い女性事務員 土井佳菜子と出会います。
広岡の部屋に必要な家具などをそろえるために、佳菜子は休日に運転手を買って出てくれたりする親切な娘なのでした。
しばらくの後、広岡は藤原次郎に会うべく、山梨県の甲府刑務所へと向かいます。
なぜ傷害事件を起こしたかを広岡が聞くと、藤原は
行きつけの定食屋で、モハメドアリを貶めた男たちに腹をたててしまい、つい拳で殴ってしまった
と語ります。
藤原にとってモハメドアリは、ボクシングを世界中の人に勇気を与えるスポーツに変えた尊敬すべき世界最高のスポーツマンだったのです。
2か月後に仮釈放を控えている藤原は、出所しても行く当てがないと言います。
そんな藤原に、広岡は自分のところへ来るようにと誘います。
そして、藤原から佐瀬健三が故郷の山形で農業に従事していることを聞いたのでした。
佐瀬健三の故郷である山形県酒田市へ向かう途中、広岡はすさんでいた18歳の頃の自分を思い出します。
少年時代から野球をやっていた広岡は、高校を卒業する頃には家にまでスカウトが来るほど注目される選手でした。
広岡を産んだ時に母親が亡くなったことから、父親は息子のせいで愛する妻が死んだと思っていました。
そのことを叔母から聞いた広岡は、できるだけ早く自立しようと考えていたため、東京にある大学のスカウトを受けます。
しかし、大学に入学してすぐのこと、広岡は野球肩になってしまい、野球の道を断たれてしまいました。
自暴自棄になった広岡は、ある日、電車の中で若い男に因縁をつけます。
笑いながら広岡の売ったケンカを買った男は、軽いパンチを広岡の頬に浴びせ、サッと姿を消してしまいました。
広岡にとってそれは、ボクシングに遭遇したはじめての経験でした。
佐瀬が住んでいるはずの駅に到着した広岡は、歩いている老人に道をたずねます。
すると老人は「あんたは借金取りか?」とたずねてきました。
否定した広岡に、老人が教えてくれた佐瀬の家は、まるで廃屋のようで、広岡は不安を感じ始めます。
農業をして幸せに暮らしていると思っていた佐瀬の現実は全く違うものでした。
佐瀬によると、故郷でボクシングジムをを開いたものの、経営はうまくいかず、結局15年ほどでジムをたたんだとのこと。
そして現在の佐瀬は、清掃などの小銭稼ぎをしながら、わずかな年金で暮らす孤独な老人となってしまっていました。
東京に帰った広岡は、部屋の事で世話になったお礼に、土井佳菜子と映画と食事に行きます。
映画の前に流れた予告編に出てきた「引退した元音楽家たちの館(老人ホーム)」を目にした広岡は、元ボクサーのための老人ホームがあっても良いのでは?と思いつきました。
その考えを食事の席で話すと、佳菜子は「社長に相談してみます」と言ってくれたのでした。
5月も下旬になった頃、佐瀬の便りから、広岡は最後の仲間 星弘が「小料理 まこと」という店と関わりがあると知ります。
横浜にある「小料理 まこと」を訪れてみると、扉には休業のお知らせが貼られており、またもや広岡は不安を覚えます。
星弘の妻 真琴は、1か月前に亡くなっており、星は妻の死から立ち直れないで日々を過ごしていました。
そんな星に広岡は、かつてのように自分たちと暮らさないか?と持ちかけます。
行く当てもないという星でしたが「昔をなぞっても仕方がない」と、広岡の申し出を断ります。
かつて広岡たちは「共同生活をする上で、他人を深追いして追い込んではならない」という会長の言葉をルールとして暮らしていました。
そのルールにのっとり、広岡は星に連絡先だけを渡し、「小料理 まこと」を後にしたのでした。
しばらくして、佳菜子から「家が見つかった」との連絡が入ります。
社長の進藤が乗り気な反面、佳菜子は浮かない様子です。
実はその家は、3年前に6人もの家族が一家心中をした事故物件で、地元の名士である大家さんから進藤不動産は「どうしたものか」と相談を受けていたのでした。
佳菜子の案内で、事故物件を見に行った広岡は、家の素晴らしさに借りることを即決します。
その家に淀んだ存在を感じたという佳菜子も、広岡と一緒にいると少しも感じないと、借りることに賛成するのでした。
佳菜子の知り合いである大工の元棟梁 氷見の手により、修繕なども終わった家に、出所した藤原がやってきました。
そこに、佐瀬と星も合流します。
佐瀬は星を強引に連れてきたのです。
こうして、かつて四天王と呼ばれたボクサー4人と、広岡の元いたアパートに住みついていた野良猫「チャンプ」との暮らしがはじまります。
家の名は「チャンプの家」と名付けられました。
4人が揃ったお祝いに、佳菜子も誘って、5人は居酒屋へと繰り出します。
そこで広岡たちは、チンピラたちに絡まれることに。
当然、全く相手にならないチンピラたちではありましたが、その中に1人「ショーゴ」と呼ばれるプロボクサーが混じっていました。
広岡は、何度もやめるように言いながら相手をしますが、ついうっかり「ショーゴ」を昏倒させてしまいます。
そこへパトカーのサイレンが鳴り響き、藤原のこともあった広岡たちは、「ショーゴ」を連れて病院へと向かうのでした。
やっと横浜流星さんが演じる黒木翔吾が登場しました!
ボクシング界で四天王とまで呼ばれたボクサーたちは、すっかり老人になり、幸せとは言えない人生を過ごしてきました。
「チャンプの家」に集った4人は、若い佳菜子や翔吾と出会ったことで、再びボクシングに関わっていきます。
映画【春に散る】は下巻をメインに描かれそうですね。
【春に散る】原作(下)ネタバレあらすじ
病院から「チャンプの家」へと「ショーゴ」を連れ帰った広岡たちは、その若者が黒木翔吾(横浜流星)だと知ります。
翔吾はチンピラたちの仲間というわけではなく、広岡達にからんでいる友人を止めようと追いかけてきただけだったのです。
そして、翔吾はボクシング雑誌にのったこともあるプロボクサーだということを、佐瀬は思い出したのでした。
しかし、翔吾は「ボクシングはもうやめた」と苦し気に呟くのでした。
後日、病院の治療費を返しに来た翔吾は、広岡に「もう一度戦って欲しい」と懇願します。
ボクシングをやめたはずの翔吾でしたが「戦う理由が見つかったから、あのパンチをもう一度みたい」と訴えます。
「戦う理由」という言葉に心を動かされた広岡が相手をしてやると、翔吾は茫然として家へと帰って行きました。
翌日の事、またもや翔吾が「チャンプの家」を訪れます。
真拳ジムの四天王のことを調べた翔吾は
- 広岡仁一のクロスカウンター
- 藤原次郎のインサイドアッパー
- 佐瀬健三のジャブの三段うち
- 星弘のボディフック
の全てを教わりたいと言います。
そんな翔吾に4人は「パンチを覚える前にやらなければならないことがある」とある課題を与えるのでした。
~土手の傾斜2キロを走って昇り降りできるようになる~
広岡たちが2~3か月かかった課題を、翔吾は1か月で走れるようになり、戻ってきます。
試験に合格した翔吾は、広岡たちからボクシングを教わることとなりました。
翔吾は一日ごとに変化をみせ、広岡たちも翔吾とのトレーニングがある週末を心待ちにするようになっていきます。
やがて4人は翔吾が試合をする姿を見たくなり、真拳ジムの令子に相談をするのでした。
翔吾は、父親である黒木正一が会長をする平井ジムに所属していましたが、令子の計らいにより真拳ジムへの移籍が決まります。
こうして翔吾は、真拳ジムのボクサーとして、東洋太平洋チャンピオンの山越ハヤトとのノンタイトル戦が決まりました。
週末だけのトレーニングを毎日に変更し、4人はそれぞれ翔吾に技の伝授をしていきます。
5週間後、後楽園ホールで行われる翔吾と山越ハヤトの試合は、ボクシングファンの間で大きな話題となり、満員な中で行われました。
佳菜子の「黒木君は相手を倒して勝ちます」という予言どおり、翔吾は山越ハヤトを藤原次郎から伝授されたインサイドアッパーで倒しました。
翔吾の父から声をかけられた広岡は、黒木正一が若かりし頃に戦った羽佐間正一だったと知ります。
黒木正一は、息子を生き返らせてくれた広岡にお礼を言い「あなたに2度負けました」と絞り出すように言って去っていきます。
けれど広岡は翔吾をこの世に送り出した正一こそが勝者だと思うのでした。
次は星のボディフックをより効果的にすることを目指し、翔吾は体感を鍛えるべく、佐藤興業の倉庫で段ボールの積み込みをするアルバイトをすることになります。
佐藤興業の社長は、真田会長の友人で、広岡たちも昔アルバイトをさせてもらっていた会社でした。
佐藤興業までの距離の事を考えて、翔吾をチャンプの家に住まわせることに。
すると佳菜子もチャンプの家に住みたいと言いだし、6人の共同生活が始まります。
6人での共同生活が落ち着いた頃、「大塚俊が翔吾と試合をしたい」と言っていることを令子から聞かされます。
大塚俊は、翔吾が山越ハヤト戦の前に、スパークリングでノックダウンしてしまった真拳ジムのホープでした。
同じジムの選手を戦わせることはできないから、翔吾から挑戦を断って欲しいと令子は言います。
けれど翔吾の方も、もう一度大塚と戦ってみたいと思っていました。
時を同じくして、チャンプの家にイージーライダーのなりそこないのような姿をした弁護士 宇佐美薫がやってきます。
広岡は宇佐美薫から、佳菜子の意外な過去を聞かされました。
佳菜子が4歳の頃、父親は交通事故死をしてしまい、その後若かった母親は再婚をします。
しかし母親の再婚相手は暴力的な人間で、母親は佳菜子を連れて逃げ回る生活を送ることになってしまいました。
そんな中、佳菜子の母親は岐阜県の山深くにある「駆け込み寺」のような集落へと逃げ込みます。
佳菜子が15歳になった頃、母親がくも膜下出血で亡くなってしまい、佳菜子は集落の中の医師免許を持った女性にあずけられることになりました。
女性は佳菜子と暮らすうちに、佳菜子の不思議な力に気がつきます。
佳菜子は、天気の急変を予知したり、病人に触れるだけで症状や痛みを治してしまうようになったのです。
その結果、集落の長老たちは、佳菜子を教祖として仰ぐようになっていきます。
佳菜子の運命を案じた女性は、カルト集団から脱出の手助けをする活動をしている宇佐美をたより、佳菜子のことを相談しました。
佳菜子が18歳になるのを待って、宇佐美は佳菜子を集落から連れ出すことに成功し、自分の母 宇佐美雅世にあずけます。
佳菜子は雅世から、様々なことを教わりました。
ある日の事、雅世と買い物に行った佳菜子は、集落の人間に見つかり、危うく拉致をされそうになります。
雅世と暮らすことが出来なくなった佳菜子は、宇佐美のアイドルの追っかけ仲間だった進藤のもとで、自立に向けて働くようになったのです。
佳菜子は進藤不動産で働き、お金がたまったらアメリカで映画の勉強をしたいと考えていました。
悩んだ結果、令子の出した決断は、翔吾と大塚の試合をやらせるというものでした。
大塚戦まで2か月の間に、星がボディフックを教えることになります。
「キッドのキドニー」と呼ばれていた星のボディフックは、独特で難しいパンチでした。
うまく対応できない翔吾に、星はサーフィンをさせることにします。
星によると、子どもの頃からサーフィンをやっていたおかげで打てるパンチなんだそう。
翔吾は、すぐに波に乗れるようになり、体の動かし方や呼吸もたったの二日で身に着けてしまったのでした。
大塚との試合の前日のこと、佳菜子は「黒木君は勝ちます。でも目の下やまわりの怪我に気を付けて」と言います。
大塚との試合で、翔吾はかなりの苦戦を強いられます。
大塚からの連打を浴び続ける翔吾に、いよいよ終わりかと思った時の事、翔吾はキッドのキドニーで大逆転し、勝利を手につかみました。
大塚戦からしばらくした頃、翔吾のパンチを受けていた広岡は、心臓に異変を感じます。
アメリカにいた頃は「そのとき」を静かに受け入れようと考えていた広岡でしたが、翔吾と出会った事で、もっと生きたいと思っている自分に気がつきます。
すぐに病院へ行った広岡は、医師から出来るだけ早い検査をすすめられ、翔吾の世界戦の3日後に検査の予約をいれました。
佳菜子と新宿でデートをすると宣言し、出かけようとした翔吾が前髪を払う仕草をしたことに広岡は気がつきます。
けれど翔吾には、目に入るような長い前髪はありません。
その様子から広岡は、翔吾は網膜剥離かもしれないと考えます。
医師による診断の結果は「網膜裂孔」で、放置しておけば網膜剥離に移行する可能性があり、できるだけ早い手術をすすめられました。
しかし、手術をすれば1~2か月は様子を見なくてはならず、世界戦に出ることはできません。
翔吾は世界戦後に手術を受けると言い、藤原、佐瀬、星の意見は割れます。
そんな中、佳菜子が「私に黒木君の眼を治させてください」と言い出しました。
佳菜子の祈りもむなしく、翔吾の眼は治ることはなく、とりあえずレーザーで裂孔をふさぐ手術だけを受けて、世界戦を迎えます。
相手選手と距離をとりながら戦うアウトボクシングを目指した翔吾でしたが、試合中、相手から強烈な右フックを受けてしまいました。
試合の途中、翔吾の右目の視野はどんどん狭くなっていきます。
勝負は判定に持ち込まれ、その結果、翔吾は世界スーパーライト級の新チャンピオンの座を手に入れました。
【春に散る】感想ネタバレ|夢中になって読む面白さはあったけど悲しいラストです
※ブログ記事全文のコピーはご遠慮ください。完全コピー記事を見つけた場合、何らかの対応をさせていただきます。
このあらすじを読んだ方は、もしかすると
「現実はこんなにうまくいかない」
と思うかもしれません。
その通りです。
【春に散る】は、生ぬるいハッピーエンドで終わるわけではないんです。
翔吾は世界戦でチャンピオンになった直後、眼の手術を受けますが、どのくらい視力が回復するかはわからない状態で物語はラストを迎えます。
しかし翔吾は「あの試合で、見たいものを見た」と言い、ベルトを返上し引退を決意するのです。
翔吾は、ボクシングをやめた後アメリカでホテル業に従事していた広岡のように、自分もアメリカに行き、佳菜子との未来を考えているようでした。
これだけでも、手放しでは喜べないラストではないと思うのですが、さらに悲しいラストが待っています。
それは、広岡の死。
翔吾の病院の帰り、発作を起こした広岡は、ニトログリセリンを探しますが、翔吾の入院騒ぎで持ち歩くのを忘れてしまっていたのです。
通りがかりの人に声をかけられるも「大丈夫です」と答える広岡。
心を残すべきささやかな場所があることを、人は幸せと呼ぶのかもしれないと思う広岡の意識は遠ざかっていきます。
沢木耕太郎さんが、広岡の決断を「幸せ」だと思ったかどうかはわかりませんが
のこされた周りの人の事も考えろよ!!!
と思ってしまいました。
心揺さぶられた時点で、私はその作品を「面白かった」としているので、間違いなく【春に散る】は面白い作品なのですが、だいたいの場合、登場人物には心の中で「違うだろ~」と叫ぶことが多いですね。
広岡には
「あんたは幸せ気分で死んでいけるかもしれないけど、自分の試合のために検査や手術を先延ばしにしたから広岡は死んだんだって翔吾は思うんじゃないの?!
退院するまでは死なないって翔吾と約束したんだから「大丈夫です」じゃなくて「救急車をお願いします」って言いなさいよ!」
などなど、言ってやりたいです( *`ω´*) ふんす!
自分はころりと死にたいと思っているので、勝手な言い分なんですけど、すっかり【春に散る】の世界に入ってしまった私は
広岡、あんたが死んだら悲しいじゃないか~~~!!!
と思ってしまったわけです。
原作者の沢木耕太郎さんは【春に散る】が映画化されるにあたって
文章の世界と映像の世界は目指すところの異なる二つの表現形式である。
としています。
つまり、原作の【春に散る】と映画の【春に散る】は、全く違う作品になる可能性もあるわけです。
映画で広岡が「生きる」という選択をした時、私の心が原作ほどに揺さぶられるのか?
今から楽しみです!