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映画『リボルバー・リリー』ネタバレあらすじ感想|おもしろい?つまらない?元になった実話はある?綾瀬はるか・羽村仁成主演決定!

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映画 リボルバーリリー あらすじ ネタバレ 感想

2023年8月、長浦京さん原作の『リボルバー・リリー』が映画化されます。

『リボルバー・リリー』は、いわゆるハードボイルドと呼ばれる作品で、490ページという超大作。

実は私、ハードボイルドはそんなに好きではありません。

ハードボイルド→男たちがめっちゃ銃で撃ちあう=脳筋男(漢)向け作品

という、非常に偏ったイメージがあったからです。

にもかかわらず、『リボルバー・リリー』はたったの1日で一気読みしてしまいました。

それは、主人公の小曽根百合と一緒に逃亡する13歳の少年 細見慎太の逃亡劇の結末が気になってしかたなかったからです。

かなりグロい描写もありますし、アクションも満載ですから「日本人キャストで適任は誰?」と想像しながら読んでいたら、いつのまにか完読していました!

リアルな歴史もおりこまれており、超面白かったです(歴史も苦手なのに)

この記事では、映画『リボルバー・リリー』公開前に原作のネタバレ感想記事を書いてみたいと思います。

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小曽根百合役は浜辺美波さんという噂が流れていましたが、正式にキャストが発表され、綾瀬はるかさんだとわかりました。
小曽根百合は若々しく見えますが、子どもを産んだこともある女性という役。
綾瀬はるかさんは、銃の扱いがうまいと言われている役者さんでもあるので、銃がでまくりの『リボルバー・リリー』の主役にぴったりだと思います(2023.03.01)
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映画『リボルバー・リリー』簡単なあらすじ

時代は大正末期、1923年に起きた関東大震災後。

13歳の少年 細見慎太は、父親から秘密の書類を預かったことで、陸軍やくざから追われる身となってしまいます。

父、継母、姉、弟を殺害された慎太が頼ったのは、小曽根百合

百合は16歳からの3年間で57人を殺害、「最も排除すべき⽇本⼈」とまで呼ばれた元敏腕スパイでした。

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百合は愛用の銃「S&W M1917 リボルバー(リヴォルバー)」を駆使し、慎太を助け続けます。

慎太は逃げながらも、家族を殺された復讐を心に誓っています。

はたして百合は慎太を無事に逃がすことができるのか?

そして慎太の復讐劇の結末とは?

『リボルバー・リリー』は実話?

『リボルバー・リリー』には、歴史上実在していた人物の名が出てきます。

中でも、海軍大将だった山本五十六は、小曽根百合を助ける重要な役として登場

そのため、実話なのではと思う方も多いのですが、『リボルバー・リリー』は実話ではなくフィクションであると明記されています。

『リボルバー・リリー』登場人物(キャスト)

リボルバーリリー キャスト 綾瀬はるか

  • 小曽根百合(綾瀬はるか) 実業家 水野寛蔵の元、幣原機関で訓練。16歳から任務についていた元スパイ。「S&W M1917 リヴォルバー」を愛用。水野寛蔵の子を産んだことがある。
  • 細見慎太(羽村仁成) 13歳の中学生2年生。生まれつき左足の関節に障害がある。家族を殺され百合を頼る。
  • 細見欣也 慎太の父。
  • 細見喬太 慎太の弟(11歳 小学6年生) 慎太とは母親が違う。
  • 細見はつ子 慎太の姉。
  • 筒井国松 慎太が近所のおじさんとして親しくしていた。
  • 水野武統 水野組の五代目。水野寛蔵の息子で、水野通商を暴力団から、国際企業に戻したいという野望がある。
  • 岩見良明 かつて百合に命を救われたことがある元海軍の弁護士。
  • 奈可(林阿英リンアイン) 水野寛蔵に仕えており、寛蔵の死後は百合と行動を共にしていた。漢人とウイグル人の混血で元馬賊。
  • 津山ヨーゼフ清親 陸軍大尉。母親がドイツ人のため髪と瞳は栗色をしている。
  • 南 始 陸軍の特務少尉。百合と同じ幣原機関出身。20歳だが、年齢よりずっと若く見える。
  • 日永田 国松の戦友で弁護士。
  • 小沢 陸軍大佐。
  • 山本五十六 海軍大佐。
  • 水野寛蔵 水野組(水野通商)の四代目。
  • 楠緒・季代 細見家の女中。
  • 武居 細見欣也の部下。
  • 横川くめ 細見に恨みがある女性。細見一家殺害の犯人とされている。
  • 升永達吉 元陸軍中将。
  • 宮川芳乃 慎太の母。
  • ルパ 筒井国松が飼っている日本狼。

綾瀬はるか、長谷川博己、シシド・カフカ、古川琴音、清水尋也、ジェシー(SixTONES)、羽村仁成(Go!Go!kids / ジャニーズJr.)、佐藤二朗、吹越満、内田朝陽、板尾創路、橋爪功、石橋蓮司、 阿部サダヲ、野村萬斎、豊川悦司

『リボルバー・リリー』結末までのネタバレあらすじ感想


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『リボルバー・リリー』序章 赤い空 ネタバレあらすじ

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関東大震災

リボルバー・リリー イメージ

大正12年(1923年)9月1日、関東大震災の翌日のこと。

混乱の中、小曽根百合(綾瀬はるか)奈可とともに、ある女性の出産に立ち会っていました。

そこへ火事場泥棒のやくざ者4人がやってきます。

男たちは、金品だけでなく、あちこちで娘たちもさらってきていました。

百合は愛用の銃「S&W M1917 リボルバー(リヴォルバー)」で4人を気絶させ、取り押さえます。

その際、元海軍にいた弁護士 岩見良明のことも助けていました。

『リボルバー・リリー』1章 隔離の季節 ネタバレあらすじ

細見慎太(羽村仁成)と筒井国松の出会い

リボルバー・リリー イメージ

震災後、13歳の細見慎太(羽村仁成)と腹違いの弟 喬太は、家族とともに東京から埼玉県秩父町へと逃げてきていました。

しかしなぜか秩父では、父 細見欣也から

  • 細見慎太→松本祥一郎
  • 細見喬太→松本圭次郎

と名乗るように言われます。

その上、しばらくすると父と継母は、女中の楠緒と季代に2人をまかせ、東京へ帰ってしまいました。

数日後、兄弟は町はずれで、左手首から先のない老人 筒井国松と出会います。

国松は「ルパ」という名の日本狼を連れており、ルパをきっかけに兄弟は国松の家を訪れるようになります。

さらに数日たって、慎太と喬太はそれぞれ転校先の学校へと通い始めます。

しかし、兄弟共に学校になじむことが出来ず、孤立をしていきました。

学校では生徒だけでなく先生までもが、慎太たちを敵視するようになる中で、国松とルパの存在だけが、心のよりどころになっていきます。

そんな中、ルパの散歩をしていた慎太たちを、7人もの上級生が襲ってきます。

ルパが対抗したため、7人は逃げ帰りますが、ルパが怪我を負わせたことにより、親たちが猟銃をもって国松のもとへと乗り込んできました。

しかし、国松は「文句があるなら警察を連れてこい」と言い、軽々と親たちを追い払ってしまいます。

その後、国松は戦友である弁護士 日永田を雇い、文部省の知り合い「松浦(おそらく鎮次郎)」に動いてもらったと、慎太に言います。

以降、慎太たちがいじめられることもなく、むしろ怖がられる存在へとなりました。

わからない小曽根百合の素性

震災から10か月ほど過ぎた頃、岩見良明小曽根百合から弁護士として仕事の依頼を受けていました。

岩見はリスク管理のために、まずは依頼主である百合について調べます。

  • 銘酒屋の主人である
  • 玉の井一帯の土地家屋の権利を所有している
  • 土地家屋は大正6年に死亡した水野寛蔵という実業家から譲渡されたものである
  • やくざを一人で叩きのめしたなどで有名
  • 7年前まで日本国内で生活した痕跡がない

と、百合に直接かかわる情報はほとんど得ることができませんでした。

『リボルバー・リリー』2章 閃光 ネタバレあらすじ感想

筒井国松の死

リボルバー・リリー イメージ

季節は8月になり、国松の家からの帰り道、慎太たちは父 細見欣也の姿を目にします。

大喜びする兄弟に父は「家に戻らず逃げろ。熊谷の武居のところへいけ」と命じます。

そして、白いさらしを慎太に巻き付け、「誰にも見せるな、渡すな」と、さらし間に茶封筒をはさみこみました。

父親からは「行かないと殺される」と言われた兄弟でしたが、途中で家に戻り床下へと忍び込みます。

兄弟はそこで、父、母、姉、女中たちが殺される声を聞いてしまいました。

兄弟は国松のところへ駆け込み、助けを求めます。

2人が「細見欣也の息子たちである」と知った国松は、慎太にオートマチックの拳銃 ベレッタM1915

を渡し、追ってくるのが陸軍で、父親が何らかの不正にかかわったらしいと伝え、逃げるように言います。

「筒井国松に教えられたといえば必ず助けてくれる」と、小曽根百合の写真を渡し、自分は秩父に残り、追手の陸軍と闘い命を落とすのでした。

国松から銃を受け取った慎太は、この後すぐに追手を一人撃っています。

人の命を奪ってしまった慎太ですが「敵をとれた」と、恐怖さえも忘れる興奮を覚えました。

もともと気が強く、トラブルを起こしがちな性格の慎太ですが、13歳とは思えない度胸の持ち主だといえますね。

末恐ろしい…😰

『リボルバー・リリー』3章 煙の記憶 ネタバレあらすじ感想

小曽根百合と細見慎太の出会い

リボルバー・リリー イメージ

8月19日、小曽根百合は弁護士の日永田から、筒井国松の死を知らされていました。

翌日の新聞には、筒井国松が不可解な自殺をしたと掲載されており、百合は真相を確かめるべく秩父に行くことを決意します。

その後、百合の元に「埼玉・熊谷13・8・25前9-12」と書かれた差出人不明の速達が届き、百合は行き先を熊谷に変更します。

百合が熊谷駅に到着すると、工場で大火事が発生しており、陸軍とやくざ連中が、明らかに人探しをしている様子でウロウロしていました。

そこで百合は細見慎太と出会います。

火事で弟 喬太を失った慎太は、火をつけた犯人が、自分たちをかくまっていた武居しかいないと言います。

武居は兄弟を工場に閉じこめていたため、慎太は助けを求める手紙を百合におくっていました。

しかし、百合によると武居には数日前から捜索願が出ており、おそらく死んでいると言います。

慎太から、今までに起きたことを百合に説明していると、追手が迫ってきました。

百合はリボルバーで撃った相手から、慎太の父 細見欣也が膨大な額の陸軍資金を横領したのだと聞き出します。

工場に火をつけたのも、武居を誘拐したのも陸軍ではないとし、細見一家を殺したのも、横川くめという細見に恨みのある女性だと言います。

しかし、百合が撃った相手はあくまでも陸軍の下っ端。

裏では陸軍の小沢大佐は、裏で

  • 細見欣也が慎太に渡した「榛名作戦」に関する機密を回収する
  • 慎太の身柄を確保する
  • 小曽根百合の排除

を目的とし、水野通商の五代目 水野武統に協力を依頼。

陸軍側は、津山ヨーゼフ清親大尉を指揮官とした部隊と、百合と同じ幣原しではら機関出身の南 始特務少尉を中心に動いていました。

武統の父 水野寛蔵と幣原機関は、優秀な女性スパイを養成する研究をしていました。

幣原機関に11歳だった小曽根百合を連れてきたのが筒井国松だったのです。

南 始は男性ですが、幣原機関出身。

百合が幣原機関に来たことで、作戦の目的が大きく狂い始めたとのこと。

百合はなぜ幣原機関に連れてこられたのか?

その後、何があったのか?

謎は深まります。

『リボルバー・リリー』4章 蝶 ネタバレあらすじ感想

リボルバー・リリー イメージ

水野通商から、小曽根百合と細見慎太に、1人あたり400円の懸賞金がかけられます(大正時代の1円は現在の1,080円くらい)

百合は、筒井国松が水野通商にいた頃の子分 坂井を頼っていきますが、火の粉を恐れた坂井から「一晩休んだら出ていって欲しい」と言われてしまいました。

その頃、百合を追う南 始は「幣原機関初期の傑作」と呼ばれていたものの、殺し過ぎてしまうという理由で任務に使われなくなったという小曽根百合に会うのを楽しみにしていました。

もともと人の潜在能力を最大限引き出す研究をしており、やがて諜報員を育成する組織へと変わっていった…それが幣原機関でした。

夜になり、百合と慎太の休んでいる部屋に忍び寄る人物たちがいました。

それは酒井の子分だったため、百合は男たちを買収して逃げ出します。

酒井は、津山ヨーゼフ清親から連絡を受け、百合たちを裏切っていたのです。

結局、子分から裏切られた酒井は、陸軍の憲兵に連行されてしまいました。

酒井の裏切りから逃れた百合と慎太は、夏休み中の誰もいない学校に忍び込みます。

そこで、百合は慎太が欣也から預かった封筒の中身を確認しました。

中に入っていたのは、細見欣也が要人のために続けてきた不正蓄財と脱税の台帳といったものでしたが、細見だけを逮捕して隠ぺいすれば済む程度の機密でした。

それでは、なぜ陸軍は細見の家族を皆殺しにする必要があったのか…百合は疑問に思います。

百合の生い立ちと筒井国松との出会い

夜になり、百合は自分の過去を思い出します。

長野県の貧しい村にうまれた百合は、体は弱いけれど器量よしだったため、11歳で身売りされることが決まっていました。

色黒で体の大きい姉たちからは「死ね」とまで言われる辛い毎日を送っていた百合は、ある日、自分の股間に鎌の柄を突き立てます。

自ら傷ものになった百合に対し、ひどく怒った父親の太ももに、百合は枝を突き刺します。

こうして百合は檻に閉じこめられることになってしまいました。

百合の噂を聞きつけてやってきた筒井国松と子分の酒井は、百合を見受けし、台湾へと向かいます。

台湾で百合を待っていたのは水野寛蔵で、そこには女中たちを取り仕切る奈可の姿もありました。

百合の他にも、16人の娘たちがおり、諜報員になるための様々な授業を受けていましたが、しだいに数が減っていき、最後に残った百合は奈可とともに上海へと旅立ったのでした。

百合たちが潜伏先をわりだした南 始は、学校に火を放ちます。

津山ヨーゼフ清親の部隊もすぐ近くまで迫っていました。

南の監視をすり抜けて学校を逃げ出した百合たちは、罠を仕掛けながら竹林の中を進みます。

途中、津山に捕まりそうになったものの、百合と慎太は寸前のところで逃げることができました。

百合の生まれた村は三芳山(通称 ガタ山)のふもとにあるのですが、幼くして死んだ子の体を切り刻み、張り子の人形の中に入れて納める風習があったそうです。

百合は、人形が破れて骨が見えていたりするなかで、山菜摘みをしています。

まるで「怪談」ですが、およそ100年前には実際にこのようなことが行われていたんですね…。

7歳までの子どもは人ではなく神のもの(いつ死んでもおかしくない)とされてきたので、貧しすぎた場合、神様にお返ししてしまおう…というケースもあったのだと思います。

そんな環境で育った百合は、諜報員になるための勉強は辛くても楽しかったと語っています。

人の命が軽く扱われていた時代だからこそ、百合は強くなっていったのかもしれませんね。

『リボルバー・リリー』5章 生者の贖罪 ネタバレあらすじ

百合は、英国製の最新型トラックの運転手にお金を渡し、大宮の先まで乗せていって欲しいと頼みます。

途中、水野通商の手下たちが道を塞いでいましたが、男の運転の腕前が良かったため、逃げ切ることができました。

「銃で脅されたことにしたい」という男の左腕を撃って別れた後、2人は百合がある老婆からもらったという家へたどり着きました。

一方、弁護士の岩見良明は、細見欣也のことを知っている穴井仁吉に会いに行きます。

穴井は、細見の事を「金融犯罪の天才」と称します。

穴井によると、およそ16か月ほどの間、細見は知り合いの相場師3人と結託して相場を操ったとのこと。

しかし、それはあくまでも序章にすぎず、細見は操る相場を日本から欧州へとうつしたと話すのでした。

『リボルバー・リリー』6章 玉の井 ネタバレあらすじ感想

浦和市内の銃砲店で銃弾を補充してから、肥料爆弾を作るための材料を入手するべく、百合は埼東化薬株式会社に忍び込みます。

しかし、待っていた慎太が宿直をしていたという少年 三田寛吉に見つかってしまいました。

騒がれると困るため、百合たちは「帰りたい」と泣く三田寛吉を連れ、水門から運搬船に乗り込みます。

百合たちの乗った船は、またもや津山に追いつかれてしまいますが、百合がしかけた爆発により追手をまくことが出来ました。

が、船から降りようとした際、寛吉がナイフを慎太につきつけ、書類を出すように要求します。

三田寛吉は最初から百合や慎太の逃走経路に凶器を潜ませた追手の1人だったのです。

寛吉は、百合を悪人だと言い、慎太に一緒に来るように誘います。

慎太が断ると、寛吉は慎太を突き飛ばし、書類を奪っていってしまいました。

寛吉が入手した書類は、小沢陸軍大佐の元へと届けられます。

三田寛吉の正体は、南 始だったのです。

慎太の弟を殺した火事も、南のやったことでした。

が、書類を見た小沢は「こんな物に用はない」と怒りをあらわにします。

小沢陸軍大佐は男色家で、津山ヨーゼフ清親の股間をさわさわしたりしています。

『リボルバー・リリー』はハードボイルドなのに、BL要素が盛り込まれてくるとは意外でした。

書類を奪われ、もう追われることはないと考えていた百合は玉の井まで戻ってきました。

しかし、水野通商の追手が迫ります。

慎太には百合に言ってないことがありました。

百合が詰問し、慎太が見せたものは、「イケガミ二七一ノ五」と住所らしきものが刺繍されたさらしでした。

『リボルバー・リリー』7章 バニシング-消失 ネタバレあらすじ感想

細見慎太が陸軍に追われている本当の理由

岩見良明は、さらに細見欣也について調査するべく、元陸軍中将の升永達吉に会いにいきます。

升永達吉は「命がけで小曽根百合と細見慎太を助けること」を条件に、細見欣也のことを話すと言います。

意外なことではありましたが、それは榛名作戦をはじめた陸軍の宇垣一成(現陸軍大臣)と山梨半造(元陸軍大臣)の2人を失脚させ、現在の陸軍を浄化させるのが目的だということでした。

もともと細見は、陸軍とつながり巨額の金を違法に稼いでいました。

工作の中で細見は「違法行為がばれたら、陸軍から切り捨てられる」と、榛名作戦で得た陸軍の金を個人口座へと移し替えていきます。

横領した金額は一億六千万円。

フランスへ帰化しようと考えていた細見欣也は、ただ陸軍の資金を横領しただけではなく、確実に亡命できるよう『バニシング(消失)契約』というものを銀行と結んでいたのです。

契約を解除しない限り、銀行にあずけられた資金は、どんどんと減っていく仕組みになっていました。

『バニシング(消失)契約』を解除するための数列こそ、陸軍が真に追いかけているものだったのです。

升永達吉と別れた後、岩見良明は男たちに囲まれ、ある場所へと連れていかれてしまいました…。

慎太の父 欣也は自ら陸軍に自分を売り込み、天才だったがゆえに、自分だけでなく家族の命も奪われることとなってしまいました。

唯一のこされた慎太も、この逃亡の中で、人殺しになってしまっています。

たったの13歳で。

欣也は陸軍で巨額の金を動かす際、泥遊びをする子供のように熱中していたと、穴井仁吉は語っています。

たぐいまれなる才能を持っていたからと言って、必ずしも幸せになれるわけじゃない…どころか、完全に不幸の道を突っ走ってしまいました。

天才の息子である慎太の行く末が心配です。

『リボルバー・リリー』8章 硝煙の百合 ネタバレあらすじ

「最も排除すべき日本人」小曽根百合

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岩見良明が連れてこられたのは内務省。

そこで岩見は、小曽根百合の過去について聞かされます。

幣原機関につれてこられた百合は、他の娘たちとは違い、最初から銃への抵抗がなく「異常だった」とのこと。

やがて任務に就いた百合は、書類を奪うだけでよいところを、躊躇なく人を撃ってしまうため、陸軍からは使えないと思われるようになっていきます。

結局、百合には買い手がつかず、水野寛蔵のお気に入りとして屋敷にただ一人残ることになってしまいました。

17歳の百合は、水野寛蔵に連れられ上海へと渡り、私兵として”誠実に”働き続けます。

やがて百合は各国から「最も排除すべき日本人」と呼ばれるようになっていきます。

しかし、大正五年、水野寛蔵の子を妊娠したことを機に、百合ははじめて「人殺しが怖い」と感じます。

水野寛蔵は百合の気持ちを尊重し、百合が人殺しをすることはなくなりました。

百合が男の子を生んだ頃、水野寛蔵は阿片産業をめぐり、日本政府と対立するようになっていました。

そんな中、水野寛蔵が脳卒中で倒れ、命を落とします。

水野の死と同時に、水野を国の敵とみなした日本人に襲撃され、百合は赤ん坊を失いました。

百合を守ろうとした筒井国松は左手を失い、百合自身も息子だけでなく、左胸を失うほどの大怪我を負いました。

百合は、奈可とともに復讐を開始します。

襲撃を指示した貴族院議員の息子二人を殺害後、百合は玉の井に、国松とルパは秩父に引きこもり、全ては忘れたふりをされ続けてきたのでした。

『リボルバー・リリー』9章 九月一日 ネタバレあらすじ感想

細見欣也が息子 慎太に託したものとは?

リボルバー・リリー イメージ

内務省から逃走することに成功した岩見良明は、百合から待ち合わせの場所として連絡を受けていた「イケガミ二七一ノ五(池上271-5)」へ向かい、百合と慎太にやっと会う事ができました。

岩見は慎太に、細見一家が殺害され、今も慎太が追われているのは、細見欣也が横領した一億六千万円を陸軍が回収するためであると説明します。

池上271-5にあったのは、関東大震災で被害にあった人たちの遺品預かり所。

そこで慎太は、震災で亡くなった実母 宮川芳乃の遺骨を手にします。

骨壺の中にこそ、陸軍が必死で追いかけてきた書類が入っていました。

  • 財産はスイスのベルンにあるシェルベ・ウント・ズッター銀行に信託されている
  • 細見欣也の死後、財産ははつ子、慎太、喬太の3人で均等に分配される
  • 3人全員が死亡していた場合は、財産が消滅するまで銀行が管理運用を続ける(←バニシング(消失)契約のこと)
  • 契約の解除には、子どもたちの十指指紋と暗証コード(81477215BH64-935-23)が必要となる

これらのことが書類には書かれており、陸軍が慎太を殺せない理由がはっきりしました。

山本五十六との交渉

リボルバーリリー 山本五十六 実話

実際の山本五十六

岩見は、9年前から親交を深めていた山本五十六海軍大佐に「榛名作戦について話がある」と連絡をとり、会う事になります。

岩見は山本五十六に、細見の横領した金の処理について交渉を申し出ていたのです。

これにより

  • 金の配分は海軍4以上、陸軍4以下、内務省その他2
  • 手に入れた金は、慎太が成人する5年半までは動かさない(実際に金を使えるようになるのは5年半後)
  • この間、慎太は海軍の人質としてスイスで過ごさせる
  • 大学卒業までは海軍が慎太の警固と援助を続ける

という内容で話がまとまり、岩見自身も海軍に匿われる身となりました。

山本五十六が岩見の話を引き受けたのは、陸軍の力を削ぎ、アメリカとの戦争をできるかぎり先延ばしする目的があったからでした。

山本五十六は、アメリカに行った事があったことから「今の日本では勝てない」と最後まで戦争を反対したことで歴史上有名な人物ですね。

『リボルバー・リリー』は先にも書いたように実話ではありませんが、山本五十六が戦争を先延ばししたかったのは事実だと思います。

「大和魂」をかかげ開戦へと暴走したと言われている陸軍の力を削ぐために、本来であれば全て陸軍のものとなる一億六千万円を減らしたいと海軍が考えるのは、設定的にあり得る話で面白いなと思いました。

『リボルバー・リリー』10章 ブラフ ネタバレあらすじ感想

百合と慎太は、津山ヨーゼフ清親を呼び出し「この殺し合いを終わらせないか」と交渉します。

しかし津山は、それを全面的に拒否。

  • 岩見が海軍に連絡した情報をすでに入手していた
  • 細見慎太が復讐をやめるわけがない
  • そもそも水野武統のためだけに人殺しを続けた小曽根百合は日本にとって害になるに違いない

というのが理由でした。

津山は子どもの慎太にも容赦なく攻撃をし、百合も苦戦を強いられます。

しかし、津山にとどめを刺したのは、戦闘のなかで気絶してしまったと思われた慎太でした。

津山との死闘の直後、こんどは南とやり合う事になるのですが、百合は南の急所をにぎり潰すといった、容赦ない攻撃をして撃退します。

とにかく手に汗握るような描写ばかりで「リボルバー・リリーを映画化なんてできるの?ちゃんと再現できる?」と不安になると同時に、このアクションを映像で見てみたいというワクワク感がとまりません!

それにしても慎太はすっかり百合の弟子のようになってしまいました。

自分の身を犠牲にして、津山にブラフをかけ、復讐を成功させたわけです。

『リボルバー・リリー』は続編を期待する声も多いのですが、慎太がまた登場するのであれば、とんでもない人間兵器になってしまっているかもしれません…。

『リボルバー・リリー』11章 死出の装束 ネタバレあらすじ感想

リボルバーリリー 綾瀬はるか キャスト

山本五十六と電話で話した慎太は、海軍が慎太と百合を保護することになったが、迎えに行くことはできないから、自力で霞が関にある海軍省まで来るようにと言われます。

「慎太と百合が駆け込んできたから保護した」という方便を使い、海軍と陸軍の衝突を避けるためでした。

海軍省へ向かう前、百合は洋裁店に立ち寄り、注文してあった新しいワンピースに着替えます。

襟元にはレースがあしらわれており、様々な色の花を刺しゅうしてある、エレガントなワンピース。

その上、ヒールを履くという、まるでパーティーに行くかのような装いですが、百合はそれを『最高の死に装束』と思います。

白夜行で綾瀬はるかさんは、美しくも残酷な雪穂役を演じましたが、百合とイメージがかぶるかもしれませんね。

映画の中で、ワンピースにヒールでどんなアクションをみせてくれるのか楽しみです。

『リボルバー・リリー』完全ネタバレと感想

12章「 帝都戦役」13章「血の輪環」終章「虹のたもとで」は、感想を交えつつ、まとめてネタバレしていきます。

リボルバー・リリー イメージ

※記事全文のコピーなどはご遠慮ください🙏コピー記事を見つけた場合、何らかの対応をさせていただきます。

死に装束を着て、陸軍と水野通商との最後の戦いにいどんだ百合、そして慎太でしたが、岩見良明の命がけの助けもあり、傷だらけの状態ではありますが山本五十六の元へとたどり着くことができました。

岩見は死を覚悟して百合たちを逃がしたのですが、無事に生還。

もともと百合から依頼されていた裁判で”民権派弁護士”として有名になったりして、得たものもありました。

しかし、裏で百合のために動いていた奈可は、水野武統の罠により命を落としています。

この水野武統は、本当に恐ろしい奴で、実の母を殺せと命じたり、黒幕ともいえる小沢陸軍大佐(←男が好きなおじさん)を殺害。

「作戦が失敗したから小沢は自決したよ」

ということにしてしまうんですよね。

水野武統は、父 寛蔵の亡きあと、

  • 暴力団になってしまった水野通商を国際的に通用する一流企業にする
  • ラジオに進出して、日本を新しい形に変える

という、実業家らしい野心を持っていますが、そのためには平気で人を殺すという点で、やはり生粋のやくざと言えます。

関東大震災直後、世間はマスコミの力を誰も信じておらず、水野武統の考えは「狂気・妄想」と笑われていたとのこと。

今を生きる私たちは、いかにマスコミの影響力が大きいかをよく知っていますが、たったの100年前はマスコミが世間を動かすなどあり得ないと思われていたと考えると、この先の100年は私たちの思いもよらない時代になっているのかもしれませんね。

さて、逃避行を無事に生き延びた百合と慎太のその後について『リボルバー・リリー』では、そこまで深く語られていません。

慎太は、山本五十六が約束したように、スイスの学校へ行き18歳まで過ごすことになります。

しかし百合は、その未来を「本当に楽しいわけがない」と言います。

それは海外で長いこと暮らしていた百合が、世界は理不尽と不平等で満ちていて、日本がいかに平等な国であるかを知っていたからでした。

百合は百合で、虹を見たことにより嫌な感じをおぼえます。

なぜなら、神仏を信じていなかった奈可が「死人が出る兆し」として唯一恐れていたものが虹だったからでした。

現在、私たちは虹を見ると「きれい🌈なんだか良いことがおこりそう」と吉兆の前触れのように感じます。

しかし、中国やイギリスなどでは、虹は凶兆を暗示させるものとされていたようです。

実は日本でも昔は虹は不吉なものとされてきました。

虹を見て嫌な感じをおぼえた百合の予感は当たってしまいます。

慎太を見送った帰り道、元関東軍の男たちが百合の乗る列車へ乗り込んできたのです。

百合が愛用のリボルバーを握りしめたところで『リボルバー・リリー』は完結してしまうため、その後の百合がどうなったのかは誰にもわかりません。

だからこそ、続編が望まれているわけですね。

ハードボイルドは苦手と思ってきた私ですが、百合と慎太のその後が描かれた『リボルバー・リリー』続編が出版されたら、ぜったい読んでみたいです!

以上、『リボルバー・リリー』ネタバレあらすじ感想 記事でした。

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