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『透明な螺旋』ネタバレあらすじ感想|ガリレオシリーズ最大の秘密とは?

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この記事はガリレオシリーズ最新作『透明な螺旋』のネタバレあらすじ感想になります。

『透明な螺旋』は、ガリレオシリーズの新たな最高傑作と言われる『沈黙のパレード』の後に刊行された作品。『沈黙のパレード』は2022年9月に映画化され、

早くも『透明な螺旋』の映画、ドラマ化はいつ?

と期待されています。

>>映画ガリレオ【沈黙のパレード】ネタバレあらすじ感想|おもしろい?つまらない?犯人は?キャスト情報あり

  1. 探偵ガリレオ…人通りの少ない「花屋通り」で若者が焼死する事件
  2. 予知夢…「夢想(ゆめみる)」「霊視(みえる)」などオカルト系事件短編集
  3. 容疑者Xの献身…このミス2006年受賞の人気作、沈黙のパレード内でもちょっぴり登場
  4. ガリレオの苦悩…「落下(おちる)」で女刑事の内海薫が初登場
  5. 聖女の救済…犯人である美貌の人妻の鉄壁のアリバイがを湯川が崩していく
  6. 真夏の方程式…子供嫌いの湯川と小学5年生の少年が交流しながら事件を解決
  7. 虚像の道化師…「幻惑(まどわす)」「心聴る(きこえる)」など短編集
  8. 禁断の魔術…文庫化にあたり「猛射(うつ)」のみが長編として書き直された作品
  9. 沈黙のパレード…行方不明になっていた美少女沙織が火災現場で発見。被害者である沙織を嫌い「くず」と言う読者も…
  10. 透明な螺旋…ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる最新作と言われている
はちこ
はちこ

シリーズ10作目にあたる『透明な螺旋』では、ガリレオこと湯川の過去が明かされます!

湯川学の秘密をすぐに知りたい場合は、目次の活用がおすすめ。
文末には事件発生までの時系列もまとめています。

犯人を知ったうえで、伏線を回収するといった楽しみ方をしたい方は、どうぞ最後までお読みください。

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ガリレオシリーズ『透明な螺旋』登場人物(キャスト)

  • 湯川学(福山雅治)帝都大学の天才物理学教授=ガリレオ
  • 内海薫(柴咲コウ)女性刑事
  • 草薙俊平(北村一輝)警視庁捜査一課の刑事
  • 上辻亮太 33歳 被害者 DV男であり二面性がある
  • 島内園香 23歳 被害者と暮らしていた女性
  • 島内千鶴子 園香の母 奈江を慕っていた
  • 岡谷真紀 園香が高校時代はいっていた美術サークルの友人
  • 松永奈江(ナエさん) 絵本作家『アサヒ・ナナ』
  • 湯川晋一郎 湯川の父親 元医師
  • 根岸秀美 銀座VOWM経営者でありママ 70歳前後
  • 青山店長 園香が勤務していた生花店の店長
  • 松永吾郎 奈江の夫 肺がんで既に他界
  • 矢野弘司 

『透明な螺旋』ネタバレあらすじ

>>透明な螺旋の口コミ評価を見てみる

プロローグ

戦後、秋田県出身の『彼女』は上京。あるトラブルをきっかけに、バーテン矢野弘司と出会います。二人は恋に落ち、『彼女』は妊娠。親に反対されるのを恐れ、子供が生まれてから報告することを決めます。

ところが、過労により矢野弘司は、子供が生まれる直前に亡くなってしまいました。『彼女』は無事に女の子を出産しますが「一人で育てられない」と考えます。

結局『彼女』は、児童養護施設に赤ん坊を置き去りにします。手作りの人形とともに…。

島内千鶴子の死

島内園香は母千鶴子と古アパート『いるかハイツ』で楽しく二人暮らしをしていました。しかし千鶴子がくも膜下出血で急逝してしまいます。

園香は父親の顔も知らず、親戚もいなかったため、頼れるのは千鶴子の慕っていた『ナエさん』だけでした。ナエさんの助けを得て、無事に千鶴子の葬儀が終わります。園香が上辻良太と出会ったのは、そんな頃のことでした。

島内園香と上辻亮太

上辻良太は、園香の職場である生花店へやってきた客でした。園香は店長の青山から上辻良太の依頼してきた仕事を任されます。

仕事を通じて親しくなった2人は、やがて交際。園香の住んでいる「いるかハイツ」で同棲を始めたのです。

上辻亮太の死

1年半後、上辻良太の溺死体が南房総沖で見つかります。解剖の結果、上辻良太は射殺されていたことが判明しました。

草薙俊平(北村一輝)、内海薫(柴咲コウ)は、『いるかハイツ』を訪れます。部屋に園香の姿はなく、化粧品なども持ち出されていたことから、園香が自分の意志で姿を消していると推測されました。

上辻良太の行方不明者届は園香が提出をしていました。園香は行方不明者届を提出した3日後に、突然休職をしていたのです。

青山店長の話

青山店長によれば、園香は真面目で、お客さんの評判も良かったとのこと。「しばらく休みたい」と電話をしてきた際、休職の理由は一切語らなかったと言います。

前月に高校時代の友人と京都旅行へ行って以来、様子が変だったとも証言。上辻良太との最近の関係については全く知らない様子でした。

さらに青山は、内海薫(柴咲コウ)にとって気になるエピソードを語ります。1か月ほど前、体調不良で休んでいた園香を訪ねてきた老婦人がいたと言うのです。

裕福で華やかな雰囲気の老婦人は、花を買うことなく帰り、以後お店に来ることはありませんでした。

老婦人は園香に会うだけのために生花店へやってきた

岡谷真紀の話

内海薫(柴咲コウ)は園香と京都旅行へ行った岡谷真紀からも話を聞きます。岡谷真紀は高校時代に同じ美術部に所属していた友人でした。

京都旅行へ行くきっかけは、園香が「京都の高級旅館に泊まれるチケットが手に入った」と誘ってきたからだったとのこと。園香が旅行中、上辻亮太からのメッセージをあまり気にしていなかったことが気にかかったと岡谷真紀は言います。

日頃、園香は「返信が遅くなると彼氏がブチ切れる」と語り、常にスマホを気にしていたそう。岡谷真紀は、園香の失踪を

彼氏のDVから逃げたのではないか?京都旅行もそのスタートだったのかもしれない

と語ります。この推理から、薫は岡谷真紀は上辻良太の死を知らないようだと考えるのでした。

絵本作家のナエさん

岡谷真紀によると、自分以上に親しい友人は園香にいなかったとのこと。もし他に相談するとすれば『ナエさん』ではないかと言います。

『ナエさん』が、園香の母である千鶴子が実の母親のように慕っていた人で、絵本を描いているという情報を得た内海薫(柴咲コウ)は、生花店へ園香に会いに来たという老婦人を思い浮かべるのでした。

絵本を描く『ナエさん』はプロローグで登場した『彼女』でもある?

上辻亮太の本性と園香への疑惑

捜査の結果、上辻亮太は職場でもパワハラ問題を起こしており、性格破綻者であったことが明らかになります。このことから、園香が上辻亮太からDVを受けていた可能性が高まりました。

しかし、上辻亮太が死んだ今、園香はもはやDVから逃げる必要はありません。草薙(北村一輝)は、園香が事件にかかわっており、行方不明者届を出したのは警察の目を欺くためではないかと考えます。

問題は、上辻良太の死亡時、園香は岡谷真紀と京都旅行をしていたということでした。

絵本作家『アサヒ・ナナ』とガリレオ

島内園香の部屋から絵本作家『アサヒ・ナナ』の作品が3冊見つかります。『アサヒ・ナナ』が『ナエさん』であると考え調査した結果、本名は『松永奈江』であるとわかりました。

松永奈江のマンションに設置された防犯カメラに島内園香が映っていたことから、草薙(北村一輝)は2人が一緒に行動していると確信します。ところが、松永奈江とは編集者を通じたメールでしか連絡がとれず、ネット上にもほとんど情報はありません。

『アサヒ・ナナ』の作品は科学ものが多く、子供には難しそうなものばかりで、草薙も作品にはあまり関心を示していませんでした。

『ひとりぼっちのモノポちゃん』の参考文献に書かれた『もしもモノポールと出会えたなら』湯川学(福山雅治)の文字を見つけるまでは…。

モノポールとは物理学で単極子のこと。NまたはSだけの磁石がするかもしれないとする理論。存在は確認されていない。

ガリレオの父 湯川晋一郎宅へ

沈黙のパレードより

草薙(北村一輝)は、湯川学の父湯川晋一郎のマンションへと向かいます。湯川学は、認知症の母親を介護する父親のサポートをするため、両親宅に滞在していました。

草薙は事件と松永奈江について湯川に説明し、嘘のメールを出して連絡を取ってほしいと頼みます。しかし、湯川は松永奈江が容疑者ではないのなら協力できないと断りました。

ところが、湯川は草薙を見送るエントランスで突然、「別の形でなら捜査に協力できるかもしれない」とだけ言い、去ってしまいました。

根岸秀美

沈黙のパレードより

一方、内海薫(柴咲コウ)は生花店で松永奈江の写真を青山店長に確認してもらっていました。しかし、
園香に会いに来た老婦人とは別人だとのこと。松永奈江とは違い、派手で華やかな雰囲気だったというのです。

そんな中、上辻良太の発信履歴の中に、銀座VOWM(ボウム)というクラブを経営しているママ根岸秀美の名が見つかります。根岸秀美は、クラブ好きである草薙(北村一輝)の知人でもありました。

ガリレオとともに『あさかげ園』へ

湯川学(福山雅治)から「アサヒさんー松永奈江を慕っていた女性の詳細を知りたい」と言われ、内海薫(柴咲コウ)は島内千鶴子の働いていた養護施設『あさかげ園』を共に訪れます。

当時、一緒に働いていた関根という職員の話から

  • 島内千鶴子は『あさかげ園』の出身者であった
  • 園香の父親とは出産前に別れた(おそらく結婚はしていない)
  • ボランティアで紙芝居を見せに来た女性と千鶴子は親しくしていた(名前はわからない)
  • 半年ほど前、ネット犯罪の抜き打ち調査として、中年女性が10歳くらいの園香の画像を持ってきて、本人に連絡を取るよう迫ったことがある

とわかります。画像の中で園香は人形を抱きしめていました。

園香が持っていた人形は、プロローグで捨てられた赤ん坊と同じもの?

根岸秀美の話

草薙(北村一輝)は根岸秀美の話を聞きに行きます。根岸秀美によれば、半年ほど前に島内園香をVOWM(ボウム)へスカウトしていたとのこと。その話を知った上辻良太から抗議を受けたと言います。

ところが、先月突然に上辻良太が連絡をしてきて、園香をホステスするための支度金300万円を要求してきたそう。男を見る目がない園香のことは諦めるしかないと考え、それ以来連絡は取っていないと説明。アリバイはありませんでした。

老婦人の正体

草薙(北村一輝)が撮影した根岸秀美の写真を見た青山店長は「園香に会いに来た老婦人に間違いない」と断言します。根岸秀美が草薙にその事を話さなかったのは、不自然なことでした。

また、薫(柴咲コウ)は園香が水商売に向いているとは思えず、根岸秀美が彼女を熱心にスカウトした事が腑に落ちませんでした。

松永奈江の前住所地へ

園香たちの潜伏先候補として、松永奈江が前住所(埼玉県新座市)を調査することになります。松永奈江は20歳近く年上の夫松永吾郎と結婚後、20年以上新座市に暮らしていました。湯川学(福山雅治)が前住所に行きたがったため、薫(柴咲コウ)が案内を申し出ます。その理由を湯川は「どういう人物かを知るため」と言いました。

松永奈江と親しくしていた隣家の主婦から話を聞きます。松永吾郎が亡くなった2年後くらいから、島内親娘が毎週のように遊びに来ていたことがわかります。また、松永吾郎の友人が所有するリゾートマンションに、松永奈江が園香を連れて潜伏している可能性も高くなりました。

松永奈江と園香の逃亡とガリレオへの疑い

沈黙のパレードより

リゾートマンションに松永奈江と園香の姿はありませんでした。部屋に使った痕跡がなかったため的が外れたかと思いきや、その日の日付が印刷されたサンドイッチの包み紙が見つかります。防犯カメラを確認すると、2人が出ていく様子が映っていました。

薫(柴咲コウ)は、2人が移動しているタイミングから、湯川学(福山雅治)が密告したとしか考えられないと草薙(北村一輝)に報告します。

ガリレオとともにVOWM(ボウム)へ

草薙(北村一輝)は湯川学(福山雅治)を連れ、根岸秀美に会うためVOWMを訪れます。すると湯川は根岸秀美に店名『ボウム』の意味を質問しました。

make a vow=誓いを立てる⇒店を絶対に成功させる

から『vow』の後ろに『make』の『m』をつけたと、根岸秀美は説明します。しかし湯川は、店名は日本語ではないかと思ったとのこと。けれども根岸秀美は、湯川の推測を否定しました。

『VOWM(ボウム)』が日本語だとして、どんな意味がある?

草薙(北村一輝)の追求にガリレオは

沈黙のパレードより

湯川学(福山雅治)と2人きりになった草薙(北村一輝)は、密告について追及します。湯川は園香たちを逃がしたことを認めるものの、その理由については「待ってほしい」と語りません。

また、草薙は松永奈江と園香ではなく、根岸秀美を犯人だと疑っているはずだとし、捜査の妨害はしていないし、時間が欲しいと頭を下げました。

ガリレオの推理

湯川学(福山雅治)は、一人で根岸秀美に会いに向かいます。そして、『あさかげ園』で撮影された人形を持った園香の画像を見せました。湯川は、ネット犯罪の抜き打ち調査と称し、園香の身元を探ったのは秀美だと見抜いていたのです。

湯川は『あさかげ園』で、園香が写真で持っていた人形の名前が『望夢』であると聞いていました。

また、警察が秀美を疑っており、自分にも尾行がついていることを説明し、自主をすすめます。

園香の持っていた人形は根岸秀美が赤ん坊を捨てた際、一緒に置いて行った手作りのものだった⇒秀美は園香が孫娘だと思った

動機と殺害にいたるまで

赤ん坊を捨てた後、根岸秀美は弘司の働いていたバーのママに水商売の道へ誘われます。付き合った男の一人が裏社会とつながっており、密造銃を置いたまま消えたのです。銃はそのままとなり数十年が過ぎました。

60歳を過ぎ、秀美は乳がんの手術を受けることになります。その頃から秀美は、捨てた赤ん坊のことを考えるようになりました。そして、赤ん坊を捨てた『あさかげ園』のサイトで、自分の作った人形を抱いた園香の画像を見つけたのです。

根岸秀美と上辻良太の出会い

探偵に『あさかげ園』の調査を依頼し、園香の母 千鶴子と捨てた赤ん坊の年齢が一致すると知った根岸秀美は「死ぬ前に園香に会いたい」と思いを募らせます。意を決して、園香のアパートを訪れた際、秀美は上辻良太と会いました。

上辻に頼み、秀美は園香と対面する望みをかなえます。園香から「母は、この人形は自分の親を見つけるための唯一の手がかりだと言っていた」と聞いた秀美は、涙を流して謝ります。それ以来、秀美は園香と頻繁に会うようになりました。

また、上辻の提案によりDNA鑑定をした結果、2人の血縁関係が証明されたのです。

上辻良太のDVを知った根岸秀美の決断

ところが、園香がしだいに会いに来なくなり、根岸秀美は心配になり生花店を訪れてから、アパートへと向かいます。園香は顔の痣をマスクで隠しており、秀美を追い払うように部屋へと入ってしまいました。秀美は同じアパートの主婦から、園香が上辻良太から暴力を振るわれていると聞きだします。

その後、事情を園香本人から聞いた秀美は、上辻の殺害を決意したのです。

根岸秀美の自供

内海薫(柴咲コウ)は湯川学(福山雅治)のもとへ出向き、根岸秀美が上辻良太殺害を自供したと報告します。

秀美はアイドル的存在であった園香を苦しめる上辻が許せなかったと動機を説明したとのことでした。また、園香と岡谷真紀の京都旅行も秀美の指示だったそう。園香が京都に向かってから、「園香が倒れた」と上辻を千葉へ呼び出し、銃殺したと話しました。

松永奈江とガリレオの関係と真相

松永奈江とガリレオは実の親子

内海薫(柴咲コウ)は湯川学(福山雅治)に対し、松永奈江との関係を問いただします。湯川は松永奈江が実の母親であることを明かしました。

園香と秀美の血縁関係

秀美は警察では、園香との関係を「赤の他人」とし、園香が行方をくらますのは誤算だったとしており、話を聞いた湯川も、園香と秀美がどんな関係性だったかを説明しません。秀美自身が園香に「孫娘と祖母だと警察には話してはいけない」と口止めしていたことを、湯川は察していました。

上辻良太の計画

園香は秀美の孫娘ではないのに、上辻良太に無理やり孫娘として会わされていました。秀美のお金を目的として。DNA鑑定も、秀美を信じさせるためのインチキだったのです。

上辻から秀美と園香を養子縁組させる計画を聞いた園香は、犯罪を犯すことに反対します。しかし、上辻から暴力で脅され、どうすることもできないでいました。

根岸秀美の指示

秀美から「お祖母ちゃんが何とかしてあげる」と言われ、園香はその指示に従い、京都旅行へ岡谷真紀と出かけます。上辻には「秀美と旅行へ行く」と噓をつきました。

何も知らないまま東京に戻ると、部屋に上辻の姿はありません。秀美と連絡をとった段階で、園香は秀美が上辻を始末したのだと察しました。秀美は園香に「上辻の行方を捜し、捜索願も出すように」と指示します。

自分を本当の孫娘だと信じて上辻を殺した秀美のことを考えると、園香は絶望するのでした。

園香は秀美が上辻を殺害する形で「何とかする」とは思っていませんでした。また、上辻と縁が切れたら、真実を告げようと思っていたのです。

松永奈江からの連絡が来て

仕事も手につかない状態の中、松永奈江から連絡が来ます。何かあったと察し、問いかける奈江に、園香は「彼氏が殺されたみたい。どこかに消えてしまいたい」と打ち明けました。それだけを聞いて奈江は、園香を湯沢のリゾートマンションへと連れてきたのです。

奈江は何も尋ねることはせず、園香から話してくれるのを待っていました。そんな中、突然マンションを出なくてはならなくなったのです。

根岸秀美との電話

園香は松永奈江から、秀美の電話番号を渡され、電話をかけるように指示されます。奈江が秀美の電話番号を知っていることに動揺しながらも、園香は指示に従いました。

秀美はその電話で、自首する決意を告げます。また、祖母と孫娘の関係は秘密にするよう言われ、園香は涙するのでした。

ガリレオの生い立ち

湯川学(福山雅治)は松永奈江と対面し、自分の生い立ちを知ることとなります。湯川の戸籍の父親は空欄になっており、両親からは「遠縁の娘が離婚後に産んだ」と聞かされていました。

松永奈江が湯川を産んだ経緯

帯広から家出のように状況していた21歳の奈江は食堂で働いていました。食堂の常連であった学生と奈江は親しくなります。その学生は優秀で、アメリカ留学をすることが決まりました。

「ついてきてほしい」と言われた奈江ですが、自分の存在が彼の邪魔になると思い、別れることを決意します。ところが、別れた後、妊娠が発覚。両親からの赤ん坊は養子に出すを条件に、奈江は産むことを許されたのです。

養父母となった湯川夫妻から、奈江は子供との接触を制限されていたため、湯川学(福山雅治)と会うことは出来ませんでした。

ガリレオ中学2年生の時

その後、奈江はデザイナー兼イラストレーターと結婚したものの、夫の浮気などが原因で離婚。離婚で心細くなった奈江は、湯川家を訪ね、息子を取り返そうとしたのです。

「湯川さんたちが本当の家族だと思うの?」と質問した奈江に

本当のものなんか何もない、人間はみんなひとりぼっち

透明な螺旋285ページ

と返され、奈江は自分が息子を傷つけていると気がつきます。奈江は学と会わないことを決め、その姿を消したのです。

松永吾郎との結婚とアサヒ・ナナ

学が高校1年生の頃、奈江は松永吾郎と結婚。偶然インターネットで学の名前を見つけた奈江は、『もしもモノポールと出会えたなら』を知り、読んでみます。そして、モノポールを絵本の題材にしようと思いつき、アサヒ・ナナとして学とコンタクトをとっていたのです。

湯川学(福山雅治)はこの事件で、アサヒ・ナナが奈江だと気がつき、その事情を自分の手で突き止めようと考えました。母親である奈江の人生を知るために。

『透明な螺旋』ラストネタバレ

自首した根岸秀美は、何度草薙が動機を確認しても

お気に入りのアイドルである島内園香を上辻良太のDVから救いたかった

と言い続けました。草薙は『秀美と園香には特別な関係があり、湯川もそのことを知っていた』と疑っていましたが、園香は秀美の指示に従い、湯川も真相を警察に話すことはありませんでした。

根岸秀美の本当の動機

秀美は、園香が本当の孫娘ではないのではないか?と、かなり早い段階から疑っていながら、その可能性から目を背けていました。

園香と過ごす日々が夢のようで、本当のことを知りたくなかったからです。秀美は園香を上辻から守ると同時に、自分の夢も守るためにも上辻を殺す必要があったのでした。

『透明な螺旋』感想

ガリレオシリーズ10作目という区切りの作品となった『透明な螺旋』では、湯川学(福山雅治)の生い立ちの一部が明かされました。「ガリレオシリーズ最大の秘密」と言うには少し弱い気がしましたが、本当の母親である松永奈江のことを知りたくて密告者になるという公務執行妨害すれすれのリスクを犯した湯川には、今まで以上に人間味を感じました。

愛する人を守ることは罪なのかをテーマに描かれたとされる『透明な螺旋』ですが、

  • 湯川…奈江も園香も上辻殺しに関わっていなかったのでセーフ
  • 奈江…園香の希望を叶えただけなのでセーフ
  • 秀美…完全にアウト

だと感じました。上辻良太はクズですし、ろくでもない男ですが、秀美が殺した動機は

園香を守る<自分の夢を守る

でした(秀美本人もその事に気がついています)

水商売を長く続けてきた秀美は裏の社会にも知り合いがおり、上辻を脅して園香と別れさせるくらい簡単だったはず。それでも尚、殺すことを選んだのは、上辻から

「園香は本当の孫娘ではない」

とはっきり言われたくなかったからです。乳がんの再発や、自分の年齢などを考えた時、秀美は残りの人生を夢を見続けて過ごしたかったんでしょうね。

むかし僕が死んだ家⇒透明な螺旋へ

『透明な螺旋』で最も共感したのは291ページで湯川が奈江に対し、子供の頃と考え方が変わったことを伝える言葉でした。

人は誰もひとりでは生きられない。今の僕があるのは、多くの人たちのおかげです。
育ててくれた両親には心の底から感謝しています。それと同様に、僕を産み、あの両親に委ねてくれた人にも感謝すべきなんです。

『透明な螺旋』P291

この後、湯川は奈江を「お母さん」と呼び、奈江は湯川を抱きしめます。奈江の気持ちを考えると涙がじわっとこみ上げてきました。

そんな感動のシーンの直前、湯川はこんなことを言っています。

今ここにいる自分は、あの家で従順な息子のふりをしていた少年とは別人だ。あそこにいた少年は、あの家でとうに死んでしまっている。だからあの家には、その少年の見えない死体が横たわっているに違いない

『透明な螺旋』P291

養父母の元で従順な息子を演じていた湯川って、今の湯川とは確かに別人のようですが、それにしても「死んでしまっている」とか「死体が横たわっている」とか穏やかな表現ではありません。このエピソードは、1994年に東野圭吾さんが出した『むかし僕が死んだ家』と関係しているとわかりました。

『むかし僕が死んだ家』で最後まで正体が明かされなかった語り手の「私」が湯川学だというのです。はるか昔に書かれた作品にガリレオが登場していたって、東野圭吾さんの後付け設定かもしれませんが、ちょっとおもしろいですよね。

>>『むかし僕が死んだ家』の口コミを確認する

さて、『透明な螺旋』で、湯川の年齢は50代だそう。育ての母親が介護状態から亡くなり「肩の荷が下りた」と言ったり、ドライな印象もありますが、親だと認めているからこそ辛辣なことも言えるのかもしれませんね(私も息子たちからドギツイことを言われることがありますし…)

だとすると、照れくささなどを感じずに抱きしめられることを許可できるのは、湯川にとって松永奈江は心から母親だと思えてないからとも言えます。これから先の作品にも奈江が登場して、湯川との親子関係を深めていく様子が描かれそうですね。

>>映画ガリレオ【沈黙のパレード】ネタバレあらすじ感想|おもしろい?つまらない?犯人は?キャスト情報あり

『透明な螺旋』時系列メモ

5年前の3月 園香、母の千鶴子と『いるかハイツ』へ

1年半前 千鶴子がクモ膜下出血で突然死⇒上辻良太と仕事で知り合い、同棲開始

1か月前 園香を訪ねて華やかな老婦人が生花店へ

9月27、28日 園香と岡谷真紀は京都旅行へ 園香の様子はおかしかったと真紀が証言。28日に上辻はレンタカーを借りているが、返却予定の28日を過ぎても返されなかった。

9月29日 旅行から帰った園香は上辻の行方不明届を警察に提出

10月2日 園香から職場の生花店へ休職の電話がはいる。松永奈江のマンションの防犯カメラに園香の姿も映っていた。

10月5日 上辻からレンタカーが返却されず、レンタカー会社が被害届を提出

10月6日 海で銃殺遺体が発見。上辻良太と判明する

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