2022年9月16日(金)に映画ガリレオ【沈黙のパレード】が公開されます。
ガリレオシリーズ最高傑作と言われる【沈黙のパレード】は、ミステリー界の巨匠 東野圭吾さんの原作で、ガリレオシリーズの第9弾。
- 探偵ガリレオ…人通りの少ない「花屋通り」で若者が焼死する事件
- 予知夢…「夢想(ゆめみる)」「霊視(みえる)」などオカルト系事件短編集
- 容疑者Xの献身…このミス2006年受賞の人気作、沈黙のパレード内でもちょっぴり登場
- ガリレオの苦悩…「落下(おちる)」で女刑事の内海薫が初登場
- 聖女の救済…犯人である美貌の人妻の鉄壁のアリバイがを湯川が崩していく
- 真夏の方程式…子供嫌いの湯川と小学5年生の少年が交流しながら事件を解決
- 虚像の道化師…「幻惑(まどわす)」「心聴る(きこえる)」など短編集
- 禁断の魔術…文庫化にあたり「猛射(うつ)」のみが長編として書き直された作品
- 沈黙のパレード
- 透明な螺旋…ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる最新作
これまで映画化されたのは
【容疑者Xの献身】
【真夏の方程式】
の2作ですが、どちらも私はかなり面白くみることができました。
ただ、【容疑者Xの献身】に比べて【真夏の方程式】は
「ひどい」
という感想を持った方も多かったですね。
少年 恭平くんへのガリレオ(湯川)の対応が残酷だと感じた人が多かったことによるものです。
ただ、【真夏の方程式】以降、ガリレオは少しずつ人間味が出てくるように。
原作の【沈黙のパレード】では、【容疑者Xの献身】における自分の行動を後悔しているようなセリフを言うシーンが描かれていました。
この記事では、映画【沈黙のパレード】公開前に原作のネタバレ感想記事を書いてみたいと思います。
最初に書いてしまうと原作の【沈黙のパレード】はめちゃくちゃ面白く、夜中の2時まで起きて、一気読みしてしまいました。
【沈黙のパレード】では終盤にきてやっと
「そうだったのか!」
と事件の大筋がわかります。
にもかかわらず、最後の最後にまさかの展開も。
犯人を知ったうえで、映画を鑑賞し伏線を回収するといった楽しみ方をしたい方は、どうぞ最後までお読みください。
- 映画ガリレオ【沈黙のパレード】キャスト(登場人物)
- 映画ガリレオ【沈黙のパレード】主題歌は柴咲コウさん(KOH+)が歌う「ヒトツボシ」
- 【沈黙のパレード】ネタバレあらすじ
- 【沈黙のパレード】3年も行方不明だった並木佐織が遺体で発見
- 【沈黙のパレード】本橋優奈ちゃん事件とは
- 【沈黙のパレード】蓮沼寛一と並木佐織の関係
- 【沈黙のパレード】被害者佐織の秘密の恋人 高垣智也(岡山天音)の証言
- 【沈黙のパレード】ガリレオ(湯川)の登場
- 【沈黙のパレード】蓮沼寛一への復讐計画か?
- 【沈黙のパレード】キクノ・ストーリー・パレード当日、蓮沼寛一が死亡
- 【沈黙のパレード】蓮沼寛一の不可解な死とガリレオの推理
- 【沈黙のパレード】蓮沼殺害事件と優奈ちゃん事件の関連性とは
- 【沈黙のパレード】蓮沼殺害事件の実行犯は誰?
- 【沈黙のパレード】新倉直紀(椎名桔平)の自供と蓮沼殺害事件の真相
- 【沈黙のパレード】佐織殺害事件の真相と蓮沼殺害事件の関連性(完全ネタバレ注意)
- ガリレオ【沈黙のパレード】感想|おもしろい?つまらない?
- 東野圭吾原作|ガリレオ【透明な螺旋】あらすじ
映画ガリレオ【沈黙のパレード】キャスト(登場人物)
- 湯川学(福山雅治)帝都大学の天才物理学教授
- 内海薫(柴咲コウ)女性刑事
- 草薙俊平(北村一輝)警視庁捜査一課の刑事
- 並木佐織(川床明日香)被害者
- 並木夏美(出口夏希)被害者佐織の妹。
- 並木祐太郎(飯尾和樹)被害者佐織の父。菊野商店街の定食屋「なみきや」店主
- 並木真智子(戸田菜穂)被害者佐織の母。
- 戸島修作(田口浩正)並木祐太郎の幼馴染。冷凍食品会社「トジマ屋フーズ」経営
- 増村栄治(酒向芳)蓮沼寛一の元同僚。蓮沼を居候させていた。
- 高垣智也(岡山天音)菊野市にある印刷会社デザイン部に勤務。佐織の秘密の恋人だった。
- 蓮沼寛一(村上淳)沙織殺害の容疑者。少女殺害事件で無罪となった過去がある。
- 宮沢麻耶(吉田羊)菊野商店街にある「宮沢書店」の店主
- 新倉直紀(椎名桔平)菊野市在住の音楽プロデューサーで沙織を歌手にするため力を注いでいた。
- 新倉留美(檀れい)新倉直紀の妻
原作の【沈黙のパレード】を読んでから、映画のキャストを見ると
「そうきたか~」という感じです。
若干、ミスリードさせようというキャストもチラホラ。
真犯人のキャスティングには「納得」の一言です。
映画ガリレオ【沈黙のパレード】主題歌は柴咲コウさん(KOH+)が歌う「ヒトツボシ」
\ヒトツボシ超泣けます/
映画ガリレオ【沈黙のパレード】主題歌「ヒトツボシ」を歌うのは内海薫役 の柴咲コウさん。
ガリレオシリーズから誕生した、柴咲コウ&福山雅治による音楽ユニット『KOH+』の新曲となります。
映画ガリレオ【容疑者xの献身】の主題歌「最愛」も福山雅治さんが楽曲を作り、柴咲コウさんが歌うことで話題に。
【沈黙のパレード】主題歌「ヒトツボシ」の歌詞の一部は以下の通りです。
君が 誰か愛し 愛されますように 本当は少し寂しいけれど…
「最愛」は、 【容疑者xの献身】の登場人物 石神への想いをこめてつくられた曲。
【沈黙のパレード】の主題歌「ヒトツボシ」も、福山雅治さんは登場人物の鎮魂歌として作ったそうです。
【沈黙のパレード】ネタバレあらすじ
【沈黙のパレード】3年も行方不明だった並木佐織が遺体で発見
ある日の事、静岡県の小さな町でゴミ屋敷から火災が起き、大きなニュースとなりました。
ゴミ屋敷から2人の遺体が発見。
どちらも火災より前に白骨化していたことがわかります。
遺体の身元を調べたところ、1人はゴミ屋敷の住人であった老女。
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そしてもう一人は、並木佐織 (川床明日香)という19歳の美しい少女でした。
佐織は菊野市にある定食屋「なみきや」の長女で、容姿端麗なだけでなく性格も良く、人気の看板娘。
その上、沙織は歌の才能を秘めており、菊野市の資産家で音楽プロデューサーの新倉直紀(椎名桔平)留美(檀れい)夫妻に見込まれ、歌手デビューを目指し厳しいレッスンを受けていました。
そんな沙織が行方不明になったのは火災の3年も前の事。
家族がやっと佐織がいない事実を受け入れる気持ちになった頃に起きたのが、今回の火災事件でした。
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捜査の結果、佐織と共に遺体で見つかった老女は蓮沼寛一(村上淳)の母親 蓮沼芳恵であったことがわかります。
蓮沼という男は、23年前、12歳の本橋優奈ちゃんを殺害した容疑者となったにも関わらず、終始黙秘を貫き通し、無罪を勝ち取った男でした。
【沈黙のパレード】本橋優奈ちゃん事件とは
本橋優奈ちゃんは、部品工場を営む本橋誠二の娘。
夕方、友だちに会いにいくと言って出掛けたまま行方不明になってしまいました。
娘の失踪に責任を感じた母親は1か月後に飛び降り自殺。
4年後に、奥多摩の山中から本橋優奈の遺体が白骨化して発見されました。
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当時、本橋優奈ちゃん事件を担当したのは捜査一課の若きホープであった草薙俊平(北村一輝)でした。
本橋誠二の元で働いていた蓮沼寛一に目をつけた草薙は、蓮沼の所有していた冷蔵庫から優奈ちゃんのDNAを発見。
誰もが事件は解決したと思ったものの、蓮沼が黙秘をしつづけたため、状況証拠だけでは殺人罪にすることはできず、蓮沼は無罪という判決がでてしまったのでした。
【沈黙のパレード】蓮沼寛一と並木佐織の関係
本橋優奈ちゃん事件の犯人に間違いなかったにもかかわらず無罪となった蓮沼寛一。
そんな蓮沼の実家から、蓮沼の母親と並木佐織の遺体が発見されたことで、この事件の犯人も蓮沼ではないかという疑いが濃くなっていきます。
並木佐織の遺体は火災の前に白骨化していただけではなく、頭蓋骨に陥没がありました。
3年もたって、縁もゆかりもない土地である静岡から娘 佐織の遺体が発見されたことに戸惑う並木一家。
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草薙と内海薫(柴咲コウ)は、並木一家に蓮沼寛一の写真を見せます。
すると、並木夫婦は自分たちが営む定食屋「なみきや」に蓮沼寛一が客としてきていた時、佐織にお酌を強要、蓮沼寛一を出入り禁止にしたと言います。
また、佐織の妹である並木夏美(出口夏希)から、佐織には密かに交際していた相手 高垣智也(岡山天音)がいたことも判明したのでした。
【沈黙のパレード】被害者佐織の秘密の恋人 高垣智也(岡山天音)の証言
草薙と内海薫は、佐織の交際相手だった高垣智也の元へと向かいます。
高垣智也は、菊野市にある印刷会社デザイン部に勤務しており、「なみきや」の常連客でもありました。
高垣智也の証言によると、やはり佐織は「なみきや」に嫌な客が来るようになったと相談していたことがわかります。
その上、ストーカー行為らしきことが行われていたとも…。
そして蓮沼寛一の写真を見た高垣智也は、蓮沼がもしかすると佐織の失踪に関係しているのでは?と考えていたこともわかったのでした。
捜査の結果、並木佐織の姿が最後に確認されたコンビニの防犯カメラに、蓮沼の使用していた白いライトバンも同時刻に映っており、蓮沼の部屋の家宅捜索と任意の事情聴取がはじまります。
草薙は、再び蓮沼の取り調べを行う事になりましたが、優奈ちゃん事件の時と同じく、蓮沼は一貫してとぼけるような態度。
しかも、蓮沼は当時の草薙のことを覚えていたのでした。
そうして勾留期間が切れそうになり、結局蓮沼寛一は釈放されたのでした。
【沈黙のパレード】ガリレオ(湯川)の登場
アメリカから日本に戻ってきていたガリレオこと湯川学(福山雅治)の元へ、草薙は訪れます。
偶然にも湯川/ガリレオは被害者佐織の実家 定食屋「なみきや」のある菊野市に、研究のため週に数回の滞在をしていたのでした。
草薙の話に興味を持った湯川は、被害者遺族の家が菊野商店街にある「なみきや」だと教えられ、たびたび足を運ぶようになります。
そんなある日の事、すっかり常連客となった湯川の前に、蓮沼寛一が現れました。
追い払おうとした佐織の父 並木祐太郎に対し、蓮沼は
「自分は冤罪をかぶせられそうになった被害者だ。並木が警察に売ったせいだ」
と、賠償金の交渉に来たと言うのでした。
蓮沼は、殺人の容疑をかけられたことにより、東京のアパートの更新を断られ、なんと菊野市に在住する元同僚 増村栄治(酒向芳)が住まいとしている倉庫の管理事務所に居候していたのです。
殺人の容疑をかけられているような蓮沼を置いてやっている増村栄治自身も、傷害致死の前科を持っている人間でした。
【沈黙のパレード】蓮沼寛一への復讐計画か?
蓮沼が釈放されて、菊野市に住んでいることを知った、並木の幼なじみで冷凍食品会社「トジマ屋フーズ」の社長戸島修作(田口浩正)は、佐織のプロデュースをしていた新倉直紀(椎名桔平)に連絡をします。
蓮沼が住んでいる場所まで突き止めた戸島修作は、新倉直紀に
「警察も裁判所も罰しないなら、我々がやるしかない」
と罰を与える計画を持ちかけます。
戸島は、佐織の恋人であった高垣智也(岡山天音)にも声をかけ、高垣もためらいなく協力することを決めたのでした。
【沈黙のパレード】キクノ・ストーリー・パレード当日、蓮沼寛一が死亡
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そうしてやってきた、菊野市の一大イベントキクノ・ストーリー・パレード。
この日、湯川/ガリレオは佐織の妹である並木夏美(出口夏希)にパレードを案内してもらう事になっていました。
キクノ・ストーリー・パレードには、「なみきや」がある菊野商店街もチーム菊野として参加。
しかし、湯川/ガリレオと一緒にいた夏美の元へ 母 真智子(戸田菜穂)から電話が入ります。
「店でカキフライを食べた女性が体調不良になり、病院に行かなくてはならないから帰ってきて欲しい」
という内容でした。
女性の症状は病院へ着くや否や治ってしまい、「なみきや」は営業を再開します。
すると「なみきや」でキクノ・ストーリー・パレードを終えて、続々と集まってくる常連客たち。
その1人 宮沢麻耶(吉田羊)のもとへと、チーム菊野のメンバーの一人がある知らせをもたらします。
その知らせとは、蓮沼寛一の死亡でした。
【沈黙のパレード】蓮沼寛一の不可解な死とガリレオの推理
蓮沼寛一が死亡したのは、居候していた増村栄治(酒向芳)の住居。
現場にかけつけた草薙や内海薫ですが、蓮沼寛一には外傷もなく死因がはっきりしません。
当然のことながら、事情聴取を受ける佐織に関わりのある人物たち。
しかし、遺族たちには鉄壁のアリバイがありました。
そんな時、湯川/ガリレオから草薙に「蓮沼死亡について話が聞きたい」とメールが入ります。
蓮沼死亡の連絡が「なみきや」に入った時、湯川/ガリレオもそこにいて、関係者たちの様子を見ていたのでした。
佐織の家族のアリバイが間違いないことも、湯川/ガリレオ自身がよくわかっている状況。
すると草薙のもとに蓮沼の解剖結果がまいこみます。
- 首を絞められたわけではないが、窒息死をした可能性が高い
- 血液中から睡眠薬の成分が検出された
この2点を聞いた湯川/ガリレオは、現場を見ておく必要があるというのでした。
草薙に連れられ、蓮沼が死亡した現場である増村栄治 (酒向芳)の住む事務所へやってきた湯川/ガリレオ。
現場の状況から湯川/ガリレオは、ヘリウムを使用したのではないか?という推理を思いつきます。
湯川/ガリレオの推理は
- 引き戸を閉めて鍵をかける
- 小さな穴からボンベでヘリウムを室内に送り込む
- ヘリウムにより空気が押し出され酸素濃度が低下
- 蓮沼は急激に意識を失い死亡に至った
というものでした。
キクノ・ストーリー・パレードでは、風船を配ったりする際にヘリウムボンベが使用されています。
湯川/ガリレオの推理に基づき捜査した結果、現場付近の草むらから使用済みのヘリウムボンベと蓮沼の髪の毛が入ったゴミ袋が発見されました。
このことから警察は、犯人が眠っている蓮沼の頭にゴミ袋をかぶせ、その隙間からヘリウムガスを注入したと考えます。
しかし、湯川/ガリレオは、犯人がなぜそんな特殊は犯行方法を使わなければならなかったのか?という疑問が頭から離れないのでした。
その理由の一つとして考えられるのは、犯人の目的が復讐で、蓮沼に恐怖を与えるためだったというもの。
しかし、内海薫 (柴咲コウ)によれば、ヘリウムを使うと楽に死ねるとネットで話題になったことがあると言います。
つまり、それでは恐怖を与えることになりません。
そこから導き出されたのは、見つかったヘリウムボンベは捜査を拡散させるためのフェイクではないかという推理。
そんな中、湯川/ガリレオは23年前に起きた優奈ちゃん事件も、蓮沼殺害事件に関係しているかもしれいと言うのでした。
【沈黙のパレード】蓮沼殺害事件と優奈ちゃん事件の関連性とは
草薙は、湯川/ガリレオの言葉に従って、優奈ちゃん事件の関係者を当たることにします。
優奈ちゃんの父 本橋誠二の妹(優奈ちゃんのおば)によると、本橋誠二は6年前に亡くなったとのこと。
娘の優奈ちゃんが行方不明になったことを苦にして自殺した母親は 由美子(旧姓藤原)だとわかります。
そして、本橋誠二の遺品であるアルバムを見てあることに気がついた草薙。
優奈ちゃんの母 由美子は、蓮沼に部屋を貸していた増村栄治 (酒向芳)の妹だったのでした。
増村は自分に犯罪(傷害致死)を犯した過去があったため、妹 由美子や優奈との関係をひた隠しに生きてきたものの、本当は妹想いの真面目で温かい人間でした。
長い長い時間をかけて蓮沼との関係を築き上げ、復讐の機会を狙っていたのでした。
【沈黙のパレード】蓮沼殺害事件の実行犯は誰?
しかし、湯川/ガリレオによると増村栄治 (酒向芳)は、あくまでピースの1つであり、主犯は別にいると言います。
湯川/ガリレオが行った実験により、犯行に使われたのはヘリウムではなく、液体窒素である可能性が高くなりました。
そして大量の液体窒素を調達できる人物、それは冷凍食品会社「トジマ屋フーズ」経営している戸島修作(田口浩正)でした。
しかし、戸島にもアリバイがあり、主犯ではないだろうということに。
湯川/ガリレオは「今回の犯行には多くの人間がかかわっている可能性がある」と指摘します。
結局のところ、蓮沼殺害事件は戸島修作の発案により、佐織の恋人であった高垣智也(岡山天音)ら複数の人間が少しずつ協力をして行われたものでした。
【沈黙のパレード】新倉直紀(椎名桔平)の自供と蓮沼殺害事件の真相
そんな中、新倉直紀(椎名桔平)が蓮沼を殺害した犯人は自分だと自供します。
並木祐太郎(飯尾和樹)の回想により、蓮沼殺害事件の真相がわかります。
- 蓮沼が「なみきや」へ賠償金の件でやってきた
- ショックで「なみきや」を臨時休業にした日、増村栄治(酒向芳)が訪れてきた
- 増村から一緒に蓮沼に天誅を加えようと誘われる
- 復讐より先に真相を知りたいと増村に伝える
- 話を聞いていた妻 真智子(戸田菜穂)の後押しもあり、蓮沼から真相を聞き出す方法を考案
- 増村もその方法に賛成し、具体的な方法を決定
- 幼なじみの戸島修作(田口浩正)に液体窒素の調達について相談
- 戸島は並木の復讐心を見抜き協力を申し出る
- 並木を刑務所に入れないためのアイデアを思い付いた戸島
- パレードの日の喧騒を利用し、高垣や新倉夫妻の協力の元、蓮沼に天誅を与える
- 蓮沼殺害の罪は、全て増村栄治(酒向芳)がかぶる(本人の意思により)
というものでした。
しかしパレードの当日、思いがけない事件が起きてしまいます。
それは、「なみきや」で食事をした後、女性が体調不良を起こしてしまったことでした。
戸島に事情を話し、計画は仕切りなおすことに決まった…はずなのに、蓮沼は死亡。
計画の中止を聞いたものの、部屋でいびきをかいて寝ている蓮沼を見て、怒りが込み上げてきた新倉直紀(椎名桔平)は「真実を知るチャンスは今しかない」と一人で計画を実行することに。
苦しさの中で蓮沼が語る真実に、一層怒りを覚えた新倉直紀は、気がつくと蓮沼を殺害してしまっていたのでした。
【沈黙のパレード】佐織殺害事件の真相と蓮沼殺害事件の関連性(完全ネタバレ注意)
新倉直紀(椎名桔平)の自供、増村栄治(酒向芳)の告白、蓮沼の死亡により、全ての事件が明るみに出て解決したと思われる中、湯川/ガリレオは新倉直紀の妻 新倉留美(檀れい)の元を訪れます。
新倉留美に対し、湯川/ガリレオは佐織殺害事件の真相を自分がどう考えているかを伝えます。
そして
「佐織さんを殺したのは蓮沼ではなかった。真犯人を知っていたから黙秘を続けられたのです」
と言います。
佐織殺害事件の真相と蓮沼殺害事件の関連性とは
- 新倉夫妻は佐織(川床明日香)を”宝”だと思い心血を注いで彼女を育てていた
- デビューも見えていた頃、佐織の近くに高垣智也(岡山天音)が現れ、嫌な予感を覚える留美
- 留美の予想通り、佐織と高垣は恋仲になってしまった
- デビューして結果を残すまでは自粛するようにと佐織を説得
- しかし、佐織は人目を盗んで高垣と会い続け、練習をサボるように
- 佐織を呼び出した留美は、佐織から妊娠を告げられ、歌手になるのをやめると告げられる
- 佐織を責めると「夢を押し付けないで、重いし、気持ち悪い」と言われ、かっとなった留美は佐織を突き飛ばしてしまう
- 思わず逃げ出した留美だったが、もう一度現場に戻ると、そこに佐織はいなかった
- 佐織が生きているのでは?という望みもむなしく、佐織はそのまま失踪、3年の月日が経ってしまう
- 佐織の遺体が家事の現場から発見
- その後、蓮沼から脅迫を受け、お金と体を差し出すことに
- 絶望していたところへ夫 新倉直紀から、戸島の計画を聞く
- 夫に全てを告白した
このような流れで事件は複雑に絡み合ってしまったのでした。
そして、「なみきや」で起きた女性の体調不良は新倉夫妻が家族代行業をつかって仕組んだもの。
最初から新倉直紀は、戸島の計画を乗っ取り、蓮沼を殺害するつもりだったのでした。
全てを聞いた湯川/ガリレオは、留美本人も気がつかなかった推理を話して聞かせます。
その推理とは、留美が佐織を突き飛ばしてしまった時点では、まだ佐織は生きていて、実際に手を下したのは蓮沼だったかもしれないというものでした。
こうして事件は解決し、おりしも研究が一段落した湯川/ガリレオは菊野市を去ることになり、夏美に「今度来た時も、最高に美味しい炊き合わせを食べられるようにしておいてくれ」と約束をかわすのでした。
ガリレオ【沈黙のパレード】感想|おもしろい?つまらない?
ガリレオ【沈黙のパレード】のネタバレあらすじを書くにあたって、一度原作を全部読んでから、もう一度少しずつ重要な個所を拾って行くという作業をしました。
基本的に飽きっぽい性格なので、一度読んだ本を短時間の間に何度も読み返すという事はしないのですが、【沈黙のパレード】については、2度目に読んでも
「やっぱり面白い!」
と感じました。
むしろ2度読まないと、事件の細かい描写は理解できないかもしれません。
ガリレオシリーズについては、2007年フジテレビの月9枠で放送された時から見てきましたが、【沈黙のパレード】を読んで、ガリレオこと湯川学(福山雅治)の人としての成長に感動しました。
まったくもって人の心がわからない人間だった湯川/ガリレオが、【沈黙のパレード】では、過去の自分を反省し、思いやりのある判断をするように…。
事件の真相を単純にあばくことだけが、事件を解決することではないと、 【容疑者xの献身】での経験などでわかったのかもしれませんね。
【容疑者xの献身】
【真夏の方程式】
どちらも原作を読んでから映画を見た方が、高い評価をつけている映画です。
原作も素晴らしいのですが、原作の世界観を壊すことなく映画化されている作品です。
(30代女性)
特に【容疑者xの献身】は、石神役の堤真一さんの演技に魅了された方が多く、私もその一人。
石神の愛し方は正しくはないのかもしれませんが、あまりにも圧倒的で感動せざるを得ませんでした。
映画ガリレオ【沈黙のパレード】は、関わっている人間が多い分、【容疑者xの献身】のようにそれぞれの登場人物の気持ちを丁寧に描き切ることが出来るのかも気になるところ。
東野圭吾作品は、トリックや謎解きも面白さの1つではありますが、それ以上に登場人物がなぜその行動をしたのか?が大切な要素となっています。
9月17日には、ガリレオの最新作「ガリレオ 禁断の魔術」がフジテレビの土曜プレミアム枠で放送されるのですが、相棒役が新たに新木優子さんになったため、「相棒役を毎回変えないで欲しい」とガリレオファンの怒りを買っています。
どのような作品も「誰が演じるか?」はファンにとって重要な問題なので、【沈黙のパレード】の評価が、映画の宣伝のように放送される「ガリレオ 禁断の魔術」によって足を引っ張られないことを祈りたいものです。
「ガリレオ 禁断の魔術」を視聴しました。
一部のファンからは「ひどい」と称された禁断の魔術でしたが、私はそこまでひどいとは感じませんでした。
ただ、やはりガリレオの相棒は柴咲コウさんが一番しっくりきますね。
東野圭吾原作|ガリレオ【透明な螺旋】あらすじ
最後に、ガリレオシリーズ第十弾【透明な螺旋】のご紹介です。
【沈黙のパレード】で、人間味を増したガリレオですが、【透明な螺旋】では
「愛する人を守ることは罪なのか」
をテーマにガリレオシリーズ最大の秘密が明かされます。
ガリレオ【透明な螺旋】あらすじ
房総沖で漂流している男性 上辻亮太の銃殺遺体が見つかります。
警察は、遺体の身元を割り出し、同居していた恋人 島内園香 に連絡を取ろうとするも、彼女は行方不明になっていました。
警視庁捜査一課係長の草薙は、島内園香の行方をたどる中で、園香が親しくしていた絵本作家 松永奈江の存在にいきあたります。
松永奈江が書いた絵本を調べていると、参考文献のなかにガリレオ/湯川の名前がありました。
草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川に会いに行くことに。
事件を追う中で、絵本作家 松永奈江と湯川の関係が明かされ…。
これまでのガリレオでは、あくまで湯川は、捜査の協力者でしたが、【透明な螺旋】では事件に大きくかかわる当事者になっています。
【透明な螺旋】のネタバレは控えておきますが、この作品もぜひ映画化して欲しいと思いました。
※画像は映画ガリレオ【沈黙のパレード】よりお借りしております。