2023年夏、川上未映子さんの小説「愛の夢とか」より「アイスクリーム熱」が映画化されることが決定したので、原作を読んでみました。
映画『アイスクリームフィーバー』の公開前に、原作「アイスクリーム熱」のネタバレあらすじを公開。
映画『アイスクリームフィーバー』が面白くなりそうかについて、正直な口コミ(感想)を書いてみたいと思います。
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映画『アイスクリームフィーバー』キャスト
- 常田菜摘(吉岡里帆)主人公 アイスクリーム屋のアルバイト
- 橋本佐保(モトーラ世理奈)アイスクリーム屋の常連客の作家
- 桑島貴子(詩羽)菜摘のアルバイトの後輩
- 高嶋優(松本まりか)アイスクリーム屋の近所の銭湯に通う、仕事が生きがいの女性
映画『アイスクリームフィーバー』川上未映子さん原作小説「愛の夢とか~アイスクリーム熱」あらすじネタバレ
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わたし(映画:常田菜摘(吉岡里帆))は、駅から徒歩10分ほどのアイスクリーム屋さんでアルバイトをしていました。
※わかりやすいように主人公は映画の菜摘として書いていきます
2か月ほど前、菜摘はアイスクリーム屋さんにはじめてやってきた「彼」に一目ぼれをしてしまいました。
それ以降、彼は二日おきに、いつも同じアイスクリームを買いに来るようになります。
道を挟んで斜め前には、人気のアイスクリーム屋さんがあるのに、必ず菜摘の働いているアイスクリーム屋さんにくるだけでなく、いつも菜摘に注文をすることから、菜摘は
「彼もわたしのことを嫌いではないと思う」
と考えていました。
そんなある日のこと、菜摘は彼に「駅まで一緒に歩いて帰らないか」と誘います。
OKをした彼に、仕事や年齢などを質問する菜摘ですが、彼からの質問は何もありませんでした。
「アイスクリームを作るのが得意だから、大量につくってあげる」
と言った菜摘に、彼は「いいね」と返答をします。
しかし、菜摘は一度もアイスクリームを作ったため、家でアイスクリームの作り方を調べたものの、お店のようなアイスクリームがどのように出来ているのかは、さっぱりわかりません。
何度目かの帰り道に、菜摘は半ば強引に彼の家に押しかけ、アイスクリーム作りに挑戦します。
相変わらず、菜摘の質問に答えるだけの彼。
2人の間の会話は途切れ、やがて真夜中が過ぎ、朝の4時になって冷凍庫から取り出したアイスクリームは大失敗でした。
全然美味しくないアイスクリームを黙って食べた後、彼の家を菜摘は後にします。
その日以降、彼がアイスクリームを買いに来ることはなくなり、菜摘も彼の家を訪れることはありませんでした。
しばらく彼への想いで苦しんだ菜摘でしたが、2か月も過ぎた頃には何も考えないようになっていました。
その後、アイスクリーム屋さんはとつぜん閉店することに。
アルバイト探しに苦戦する中、駅のベンチに座った夏美は「さよなら」と声に出してみるのでした。
愛の夢とか~アイスクリーム熱 感想|これを映画化って、どうするの?
「愛の夢とか」に収録されている「アイスクリーム熱」は、たったの9ページの短編小説です。
ネタバレあらすじを読んでわかるように、「アイスクリーム熱」には、わたし(=常田菜摘(吉岡里帆))と彼しか登場しません。
しかし、映画のキャストには
- 橋本佐保(モトーラ世理奈)
- 桑島貴子(詩羽)
- 高嶋優(松本まりか)
と、主人公以外の女優さんが3名もあがっています。
これはつまり
原作の「アイスクリーム熱」と映画の「アイスクリームフィーバー」は、違う作品だと思ってみた方がいいですね。
「アイスクリームフィーバー」の監督千原徹也さんがどんな方か調べてみたところ、デザインオフィス「れもんらいふ」代表のアートディレクターで、映画監督をするのは初めてだとか。
10代から30代の4人の女性の想いと人生が交錯するラブストリーを描いた作品になると告知されており、オムニバス形式の映画になるのかもしれません。
ですから、川上未映子さん原作となっていても、ストーリーの1/4は別物になる可能性が高く、映画の面白さは限りなく未知数と言えます。
原作の「アイスクリーム熱」を読んだ感想を正直に言ってしまうと、個人的には全然面白いとは思えませんでした。
”わたし”の行動が、私はちこの理解を超えており、特に
お前はアイスクリームをちゃんと作れるようになってから、彼の家に行きたいと言わんかい!
相手を先に好きになって、自分を好きになって欲しかったら、失敗しないように全力で頑張るぜ👊
という思考の私には「なんじゃ、この主人公?馬鹿じゃね?」としか思えなかったんですよね。
が、よく考えてみたら、アイスクリームと熱って真逆のものの組み合わせです。
恋とは訳が分からなくなるものだということを「アイスクリーム熱」と称して描かれた物語だと考えたら、腑に落ちた気もしました(笑)
シネマカフェの記事『吉岡里帆主演『アイスクリームフィーバー』2023年公開決定!松本まりか&モトーラ世理奈ら共演』には
あこがれにも似た想い、相手のことで頭がいっぱい、でもこの気持ちが恋かも分からない、相手に対する気持ちを言葉にできない、告白もできない。
そんな、それぞれの“好きのような想い”が、すれ違う。
と書かれています。
恋は盲目という言葉を、そのまま映像化した映画を観てみたいという方には『アイスクリームフィーバー』は面白いし、共感できるかもしれません。