この冬、YouTubeで革新的なヒーターの広告が多数登場していることはご存知でしょうか?
それらのヒーターは、この記事のタイトルとしている『クエンテラ』をはじめとし
- ヒータープロエックス
- EcoHeat
- Warmool
という名称で販売されており、そのすべてが
- 小型で、どこにでも持ち運びが可能
- ある海外のエンジニアにより開発された画期的な暖房器具である
- ほとんど電気代がかからない
- 数分で部屋を一気に暖めることができる
- 台数に限りがあり、今だけ半額である
という点で共通しています。
この内容が本当であれば、たしかに画期的なヒーターであるため
詐欺っぽいけど、本当はどうなんだろう?
購入を迷っている方が続出しています。
実は私自身も、最初にヒータープロエックスの広告を見た時には
何このヒーター、エアコンつけたばっかりだけど損しちゃったかも
と思ったものです。
ここで結論を言ってしまうと、これらのヒーターは、商品そのものが詐欺商品なのではなく、YouTubeに広告を出稿している人物が詐欺まがいの手法を使っています。
この記事では、YouTube広告内で流れた『クエンテラ』についてチェック。
- なぜ『クエンテラ』が詐欺まがいな広告なのか?
- また『クエンテラ』と同じヒーターを安く買う方法
を紹介いたします。
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YouTubeヒーター広告『クエンテラ』が詐欺まがいな理由
※画像はYouTube内で流れた広告をキャプチャーしております
では、まずYouTubeで流れた『クエンテラ』の広告チェックしていきます。
革新的な暖房器具である『クエンテラ』は、電気代のみならず、ガス代も節約できるとのこと。
ガスを使うヒーターもあるので、これは特に詐欺ということにはなりません。
が、ここで広告主は、電力供給会社が電気代を節約できる革新的な暖房器具の使用を、国で禁止しようとしているという陰謀論をかかげます。
日本では現在、節電プログラムが広められようとしており
「みんな、電気なるべく使わないようにしようね」
という運動が繰り広げられているにも関わらず、そんなことがありえるのでしょうか?
ヒータープロエックス・EcoHeat・Warmoolの広告では「ジェイソン・スチュワート」という、ノースダコタ州出身の電気技術者が
「電気をほぼ使わずに、家を暖めることができるヒーターを開発した」
ということになっているのですが、今回は誰が開発したのかも書かれていません。
ちなみにですが、いくら調べても「ジェイソン・スチュワート」なる人物を特定することはできませんでした。
この冬はかなり寒くなるため、暖房費が高騰するとのこと。
たしかに、今年の冬はラニーニャ現象が続く可能性が高いため、日本でも寒さが厳しくなることは予想されています。
が、ほとんどの家庭で収入の1/3が暖房費になってしまうというのは、いくらなんでも言い過ぎです。
日本全体の世帯年収の平均は552万円ですから、
552万円を12か月で割った46万円の1/3は、15.333…万円になります。
日本において、4人家族における冬の電気代は平均2万~3万。
仮に電気代が倍になったとしても、収入の1/3が暖房費になってしまう人は、そこまで多くないと言っても良いでしょう。
ヨーロッパで光熱費が高騰しているのは事実ですが、それをそっくり日本に適用することは乱暴すぎるのです。
『クエンテラ』の広告によると、持続的に熱エネルギーを精製すると書かれていますが、まず「精製」とは日本語で
- 「十分に念を入れてつくること」
- 「まじりものを除いて、純良なものをつくりあげること」
を意味する言葉です。
エネルギーを「せいせい」する場合「生成」を使うのが正解なので、『クエンテラ』の広告はどこかの外国人が日本人をだますために作っている可能性が浮上してきます。
ここで、はじめてヒーターの名前が『クエンテラ』であると明かされました。
見た目は、そこらにある小型のセラミックヒーターよりもチープな感じ。
『クエンテラ』は10分以内に、7度の部屋を24度に「温めることができる」そう。
部屋を「あたためる」の漢字は「暖める」がテストでは正解とされますが、日本人でも間違えやすいので、これはギリギリOKとして…。
オイルヒーター、パネルヒーター、エアコンなどの画像をあげ、10倍の速さで部屋を暖められるとし、
これまでの暖房器具が平均1500Wのエネルギーを消費し、1時間運転すると7248円ものコストがかかると説明します。
では、日本において1500wの暖房器具を1時間運転すると、コストはどのくらいかかるのでしょうか?
電気料金計算というサイトをつかってみたところ、 1kWhの単価を22円とした場合(これは初期値として入力されていました)、1時間33円という結果がでました。
日本で1kWhあたりの電気代の平均は27円(税込)。
電気代が倍以上になったと仮定し、単価を60円にあげても1時間の電気代は90円です。
どう見積もっても7284円にはなりません。
『クエンテラ』の電力消費は1時間あたり2488円とのことですが、日本でエアコン(暖房)を1時間使用した電気代の平均は約 3.4円~約 46.5円とされています。
つまり『クエンテラ』は革新的でも何でもないヒーターだと、わざわざ広告してしまっているのです。
さて、そんな『クエンテラ』ですが、話題の商品の1つであるとのこと。
差し込むと暖かい空気が野獣を包み込むということで、むしろ野獣が包み込めば話題になろうというものですが…(笑)
そもそも、クエンテラがほとんどお金がかからない暖房器具であるということは、全くの嘘であることがわかりました。
では、『クエンテラ』とは、詐欺商品なのか?
実際にはどのような暖房器具なのか?
気になりますよね。
限定数のみが入手可能であるにもかかわらず、
なぜか半額で販売するという太っ腹な『クエンテラ』の価格も気になるところです。
この手のリンクは詐欺の警告が出たばかりなので、今回はクリックせずに、公式を検索してみることにします。
詐欺警告が出た時の記事はこちら↓
『クエンテラ』に公式サイトは存在しない?
まず「クエンテラ」で検索してみても、公式サイトどころか、ヒットするサイトがありません。
クエンテラが、日本に入ってきたばかりにしても、公式サイトがないのはおかしな話です。
スペインで入手が可能になったという事なので、スペイン語でクエンテラを検索してみることにします。
クエンテラをスペイン語に変換してから
検索してみましたが、ヒーターではなく大量のお菓子がヒットしました。
スペイン語のことはよくわからないので、綴りが違うのかもしれません。
けれど、少なくとも日本人が簡単に「クエンテラ」が海外で画期的な商品として販売されているのかを確かめることができないとわかりました。
『クエンテラ』の価格は?楽天で販売中
詐欺まがいの広告をYouTubeで流されている『クエンテラ』ですが、実は楽天市場などでも普通に販売されているヒーターです。
特に「画期的」「革新的」といった触れ込みでは販売されていませんし、価格も4500円前後というお手頃価格で売っています。
ただし、Amazonでは 17,117円とぼったくり価格で出品している業者もいるのでご注意を!
YouTubeを見ていると、魅力的な広告が多数流れてきますが、特に「今だけ半額」や「この広告は一度しか流れません」といったあおり文句を入れてくるような広告は「もしかしたら詐欺?」という目線が必要だと、個人的には思っています。
広告を一度ストップし、検索をかけて調べてから、リンクをクリックしても遅くはありません。
以上、増え続けるYouTube内での怪しいヒーター広告の中から『クエンテラ』について調べてみました。