【芸者でGO】山本幸久|悩める女性におすすめ!内容・あらすじ・感想|八王子祭も登場!

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山元幸久 芸者でGO

山本幸久さんの書いた小説【芸者でGO!】を読みました。

【芸者でGO!】は、八王子を舞台にしており、そこで暮らす芸者さんについて描いた作品になります。

八王子は多摩地区では唯一の花街なんですよね。

芸者さんが身をおいている場所”置屋”がある中町ふきんでは、着物姿の芸者さんをみることもよくあります。

その上、著者の山本幸久(やまもと ゆきひさ)さんは八王子出身の作家さん。

「八王子市民としては、読まないわけにいかない!」となぞの義務感?で読んでみたら、一気に読み終えてしまうほど面白い本でした。

悩める女性で、元気になりたい方におすすめですよ♪

今回の記事は山本幸久著【芸者でGO!】の内容・あらすじ・感想になります。

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【芸者でGO!】主な登場人物

★細井千佳(45歳)=茂蘭(もらん)

元看護士。高校生の息子がいるシングルマザー。
芸名の茂蘭(もらん)は女将さんが焼き肉屋モランボンに行った際、思いついた。

★田中喜久代(32歳)=寿奈富(すなふ)

元丸の内のOL。人には言えない秘密を持っている。
本来の芸名はスマップのもじり「寿満富(すまふ)」になるはずが、名刺代わりの”千社札”の発注ミスで寿奈富(すなふ)になった。

★沢村紗英(29歳)=未以(みい)

元キャバクラ嬢。年下の彼氏に貢いでしまう癖がある。
置き屋 夢民でかつて飼っていた猫の名前が「ミイ」だったため、芸名が未以に。

★望月優希(23歳)=兎笛(とてき)

元プロレスラー。女性らしくなりたい気持ちがあり、芸者の道を目指す。
兎笛という芸名は、女将さんが広辞苑をめくり開いたページからつけられたもの。

★杉浦晴子(19→20歳)=弐々(にに)

元女子高生。大学受験に失敗した挙句、彼氏にも振られて芸者の道へ。
芸名の弐々は2月2日うまれのため。

山本幸久【芸者でGO】内容・あらすじ・感想

第1章 よりを戻して|杉浦晴子=弐々編

1章『よりを戻して』の冒頭は、19歳の元女子高生・杉浦晴子の語りからはじまります。

いとこ・デコが企画したバスツアーのお客さんの前で、晴子が三味線を演奏しなければならない…と言うシーンから物語は幕を開けていきます。

演奏の準備をする晴子が「三味線が組み立て式だなんて、この仕事つくまで知らなかったよ」と思いながら、作業をしているのですが、ここから芸者の世界へ引き込まれますね。

三味線が組み立て式だと知っている人は、そう多くはないのではないでしょうか?

晴子が芸者になったのは、大学受験に失敗したため。

成績優秀だった晴子は、同じ学年の彼氏(上原健)と同じ大学へ行こうと、ワンランク下の大学を受験したにも関わらず、落ちてしまいます。

「大学に合格するまでは」と身体を許さないでいた晴子でしたが、受験に失敗したことにより、その約束はさらに保留されることに。

結果、彼氏は大学に入って早々、新しい彼女をつくり、晴子は見事に振られてしまいました。

場面はバスツアーに戻ります。

ツアーのお客さんたちは、ケーブルカーをつかって高尾山の薬王院へ。

その後、八王子城跡と、あの了法寺を巡ってきたというのです。

了法寺の特徴や立地についてまで、かなり細かい描写がされており、一度でも訪れたことがある方であれば、まざまざと光景が目に浮かんでくるでしょう。

山本幸久さん、さすがは八王子出身!

後日、晴子は了法寺へ姐さんである寿奈富と、お参りに行く約束をするのでした。

芸者になってまだ2年目と日が浅い晴子、バスツアーのお客さん18人の前で芸を披露するのに緊張してしまいます。

そんな時、寿奈富姐さんが了法寺へ行く時のランチを「外国人女将のいる鰻屋さん 志乃ざきはどう?」と言ってきます。

どうしてこんな時に?と思う晴子でしたが、実は緊張している晴子をリラックスさせるための気遣いだったのでした。

緊張がとけて、無事演奏を終わらせた後、ツアー客の中に元カレ(上原健)が混じっていることに晴子は気がつきます。

ひどく酔った元カレは、飲み過ぎたあまり、お座敷で急性アルコール中毒になり倒れてしまいました。

介抱をする途中、涙をあふれさせる晴子。

そんな晴子に、元カレは「悪かった、許しくてくれ」と言うのでした。

後日、約束通り、寿奈富姐さんと了法寺へお参りに行った晴子の前には、元カレの姿が。

それは寿奈富姐さんの優しい”罠”によるものだったのでした。

はちこ
はちこ

芸者の世界は女の人ばかりなので、どろどろしてそうなイメージだったけれど

【芸者でGO】の世界観はほっこり温かい雰囲気です。

それにしても、八王子の知っている場所がいっぱい出てきて、嬉しい~!

特に了法寺については、かなり詳しく語られており「そうそう!」と

思いながら読み進めてしまいました。

志乃ざきも実在する鰻屋さんで、外国人女将で話題になったこともありますよ。

萌え寺【了法寺】八王子の珍観光スポット!御朱印はまじめだったw駐車場あり
萌え寺として珍…ではなく観光スポットとして有名な了法寺に行ってみました。了法寺は八王子市内の八福神巡りの1か所でもあります。西八王子から徒歩10分。駐車場情報も掲載中!

第2章 伽羅の香り|沢村紗英=未以編

第2章 『伽羅の香り』は29歳の元キャバクラ嬢 沢村紗英の物語になります。

付き合っているのは、たまたま居酒屋で出会い、その日のうちに”逆お持ち帰り”した佐野君。

居酒屋で会った時、紗英の方から佐野君に目をつけており、どう声をかけるか思案していたところ、偶然にも一緒にいた晴子と同じ中学出身だったのでした。

つまり佐野君は、紗英より10歳近く年下の19歳の未成年なのです。

若くてマッチョな彼氏と付き合っている紗英ですが、知らない男に待ち伏せされるようになっていました。

この佐野君ですが、晴子の元カレ上原健と同じ高校を卒業し同じ大学へ通っていたのです。

実は了法寺での一件は、紗英・佐野君・そして寿奈富姐さんの計画だったのです。

なんと上原健は晴子を振ってつくった新しい彼女から、3か月もしないうちに振られており、未練たらたらだったところを3人に救ってもらったのでした。

年下の彼氏にぞっこんの紗英ですが、ビンテージもののジーンズやスニーカー、ショルダーバッグなどを、ぽんと買ってあげてしまう貢癖があります。

最初は「遊び」のつもりで、佐野君に意地悪をしていたりした紗英ですが、今ではすっかり本気になってしまいました。

しかもある意味「初恋」状態、佐野君を想うと切なくて涙が出るほどです。

紗英は大好きな佐野君のために、あまり好きではない贔屓の客ゾウリムシからもらったブランド物のプレゼントを質屋に入れて、お金に変えてしまったりしています。

そのことを知ってか知らずか、女将さんに「あまり調子づいちゃ駄目よ」と釘を刺されるのでした。

その日の夜、相談があると晴子に言われ、おしゃれなバーへ向かった二人。

質屋で手にした20万があるので、紗英は気持ちが大きくなっていたのでした。

晴子から「元カレとは友だちからやり直すことになった」「芸者をやめずに弁護士を目指す」といった話をきかされます。

その帰り道、携帯にかかってきた電話を佐野君だとばかり思って出てみると、なんとその相手は佐野君のお父さんなのでした。

はちこ
はちこ

紗英はちょっとひねくれたところのある女性です。

小説で描かれる場合、好かれるタイプではないかもしれません。

でも、現実の女性の内面って、実はこんな感じなんじゃないかなぁと思ったりしました。

いくら食べても太らず、ナイスバディな上に、自然な色気がある寿奈富姐さんのことを「嫌いだ」と言いつつも、惹かれている姿も何だか可愛らしく思えました。

晴子編よりも、ちょっとサスペンス的な要素が入ってきて、ドキドキされられる部分も出てきましたね。

佐野君のお父さんはなぜ紗英の携帯に電話をかけてきたんでしょう?

続きが気になります!

第3章 夕立の余り|細井千佳=茂蘭編

第3章の冒頭で、シングルマザーの茂蘭こと細井千佳は、戸川純の「電車でGO]を絶唱しています。

「電車でGO」…そういえば、そんなゲームがありましたね。

「芸者でGO!」というタイトルを見た時「どこかで聞いたような?」と思ったのは「電車でGO」からだったのかと、今更思います。

45歳の細井千佳は、その戸川純に憧れて上京。

しかし、じぶんでもはっきりとした理由もわからないまま芸者になってしまいました。

16歳の誕生日が近づいている息子の長治は、最近すっかりよそよそしくなっており、寂しい日々。

細井千佳は「電車でGO」を歌ったことにより、もう誰もいない故郷や自らの過去を懐かしく思い出すのでした。

戸川純を目指していた千佳は、あるバンドのメンバーになります。

そこで知り合った林は、当時はイケメンでモテ男でした。

やがて、戸川純になるため上京した千佳ですが、結局夢は叶わず看護師になります。

偶然にも千佳が勤務する病院で、丸々と太ってしまった林と再会、2人は付き合うようになりました。

こうして千佳は長治をお腹に宿したのでした。

かつてイケメンだった父親に似て、長治もファンがつくほどの人気者。

部活のマネージャーが千佳の元へ、好物を聞きに来るほどの人気っぷりです。

マネージャーが帰った後、弐々に「ぜったい息子さんを狙ってます。なんで好物を教えちゃったんですか?」と責められる千佳ですが、実はその子と昔の自分がだぶったせいなのでした。

そして、頬がこけ、目の下に隈をつくった未以を見て「失恋したのだろうか?失恋ならばいい。恋を失うだけだ」と、自らの辛い過去を思い出します。

なんと、長治の父である林は、身重の千佳を残し事故で亡くなっていたのでした。

はちこ
はちこ

同年代であること。同じように息子がいることから、細井千佳の心情はすごくよくわかります。

息子の成長って嬉しいけど、寂しい…複雑な部分もあったりするんですよね。

しかも旦那さんを妊娠中に事故でなくし、女手一つでの子育て。

並々ならぬ大変さだったと思います。

そんな時に心の支えになってくれたのが、夢民の女将さんだったんです。

芸者さんって、もちろん大変に違いない職業ですが「芸者でGO」に描かれているような世界だったら、本当に素敵だし憧れます。

第4章 真鶴|望月優希=兎笛編

兎笛こと望月優希は、彼氏いない歴=年齢の元プロレスラー。

とは言え、リングにあがったのは5回だけであって、長居経歴があるわけではなく「元プロレスラー」と言われることについて、面白く思っていません。

望月優希が芸者になったのは「女性らしくなりたいため」だったので、女子プロレスラーだったことは邪魔な過去なのです。

とは言え、望月優希は今でも浅川の土手を10キロ走ったりするほどの体力の持ち主だったりします。

そんな彼女ですが、芸者さんという職業にもかかわらず、男の人が大の苦手。

しかし、お客さんの事はずっと年上だし、あくまでも”客”なので対応することが出来ています。

苦手だけれど「男嫌い」というわけではないので、八王子の浅川近くにある石造りのチャペルを見に行き「いつか自分もここで」とちょっぴり夢を見たりする女性です。

望月優希は日頃のトレーニングのおかげか、声が通るため、木遣師という役目に抜擢され、その指導を鳶職である加東大吉が行っていました。

加東は30歳くらいの寡黙な男性で、指導も親切で丁寧に行ってくれます。

ある日の事、置き屋の女将の母親である「女将ママ(88)」と一緒に行った健康ランドで、女将ママの想い人(神田常吉79歳)に逢うことになりました。

驚いたことに、待ち合わせの場所に現れたのは、常吉だけでなく加東大吉も一緒だったのです。

加東大吉は常吉の孫だったのでした。

はちこ
はちこ

兎笛ちゃん、かわいい!

登場人物に描かれた兎笛は、いかにも元プロレスラーぽくってアジャコング?って雰囲気ですが、小説の中の兎笛は恋に不器用な女の子って感じがしました。

健康ランドでおじいちゃんに対してちょっと乱暴な物言いをしている加東を見て「得した気分」になっているシーンがあるのですが、これってわかりますね。

もう恋の始まりですよ♪

加東大吉さんも絶対良い人だし、幸せになって欲しいです💕

第5章 待ちわびて|田中喜久代=寿奈富編

寿奈富こと田中喜久代は、男性も女性も魅了する艶っぽさのある芸者さん。

しかも、大食いなのに太らないという、女性なら誰もが羨む体質の持ち主です。

みんなが羨ましがる美しさを持つ田中喜久代ですが、実はすっぴんで外に出られる若さを持つ弐々や兎笛を妬ましく思ったりする一面もあったりします。

ずっと「天然でお人よし」だという雰囲気だった寿奈富姐さんですが、そのふるまいは自分で決めた「キャラ設定」だったということも5章になって明らかに。

実は寿奈富姐さんは「田中喜久代」という現実から逃げ出すために芸者になったのでした。

「田中喜久代」の父親は都議会議員をしており、高校生の頃に好きになった塾の講師と無理やり別れさせられただけでなく、彼との間にうまれた子どもをしっかり見ることもなく里子に出されてしまうという過去を持っていたのです。

塾講師は責任を持つと言い、結婚するつもりでいたにも関わらず…。

父親は「おまえのため」と何度も口にしましたが、自分の立場を守るためということは明らかでした。

少しずつ辛い過去が薄れかけた頃、父親が強引に喜久代を結婚させようとします。

精神的に追い詰められた喜久代は、会社へ行く途中、発作的に会社とは逆方向の電車に飛び乗り、到着した先が八王子だったのでした。

はちこ
はちこ

田中喜久代の目線で語られる、第5章 待ちわびて が「芸者でGO」の最終章になるため、これまで散りばめられてきた伏線がラストで一気に回収されていきます。

 

それにしてもしみじみ思うのは「幸せそうに見えて、誰もが羨む人」が必ずしも幸せとは限らないってことでしょうか。

みんな、それぞれ多かれ少なかれ悩みや辛い過去を乗り越えて、今を生きているものです。

そういった、人の人生の陰の部分を描きながらも「芸者でGO」は、常に温かく明るい光を感じることができました。

様々な世代の悩みを抱える女性には、特におすすめできる小説ではないかと思います。

 

また、芸者さんとお祭りは切っても切れない関係であり、八王子祭りや山車に関する話題も盛りだくさん。

八王子祭りに行く前に読むと、一層お祭りが楽しめそうでした。

 

【芸者でGO】を読んだ方の感想

読後しばらくはぼんやりとした幸福感が残るので、それだけで読む値打ちがあります。

Amazonより

それぞれが凛とした女性達で思わず応援したくなります。ドラマとか実写に向いてそう。続編とか無いのかな?期待してます。

読書メーターより

特殊な人がなる職業かなと思ってたけど、どんな人でもやる気さえあればなれるものなのかなと。5人がみな個性豊かで、それぞれ胸の内があったりで楽しめたり、しみじみしたりしました。

読書メーターより

八王子を舞台にした小説が高評価で嬉しい限りです☺

いつかドラマや映画化して欲しいですね。

山本幸久さんが「芸者でGO!続編」を書いてくれることも期待しちゃいましょう♪

以上で、内容・あらすじ・感想は終了です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

八王子にある片倉高校をモデルにした「吹部!」もおすすめ↓

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【芸者でGO】に登場する八王子の場所リスト

  • 八王子駅北口 東急スクエア1F スターバックスコーヒー
  • 高尾山(ケーブルカー・薬王院)
  • 八王子城跡
  • 了法寺
  • 追分町
  • 千人町
  • 日吉町
  • 京王八王子駅
  • いちょうホール
  • 志乃ざき(ウナギ屋さん)東京都八王子市本町2−1
  • 多摩御陵
  • 西八王子駅
  • 大和田町
  • 桜島ラーメン
  • 西放射線通り(ユーロード)
  • 浅川
  • ビックカメラ・ヨドバシカメラ
  • 犬目町
  • ドン・キホーテ
  • 桑並木通り
  • 子安神社