今回は【正義の天秤】の原作第3話『マアトの天秤』のあらすじ・ネタバレ・感想を書いていきたいと思います。
第3話のメインとなるのは桐生雪彦。
NHKのドラマだと、桐生雪彦⇒桐生実雪という女性の設定に変更、キャストは大政絢さんになっています。
【正義の天秤】3話『マアトの天秤』あらすじ・ネタバレ・感想
正義の天秤で桐生雪彦(実雪)は、容姿端麗、頭脳明晰の元裁判官。
大政絢さんは美人さんだし、頭も良さそうなので、桐生役にはぴったり(実際の大政絢さんは天然らしいですねw)
弁護士になってからは、まだ2年ですが、杉村徹平(役:北山宏光)が手に負えなくなった事件を、かわってあげられるほどのエリート。
3話『マアトの天秤』の事件は、大手広告代理店社長の息子 城之内匠海(じょうのうちたくみ)による、ストーカー殺人で、本人は自白済み。
決定的物証はない状況の中、社長である父親 城之内勲(じょうのうちいさお)が、弁護を依頼してきます。
刑事からの情報によると、この息子、何度も問題を起こしては、父親と顧問弁護士がもみ消してきたとのこと。
金持ちが、バカ息子を甘やかし続けた結果、最後には殺人事件を起こすのって、ミステリーの定番だよね
しかし、顧問弁護士が入院してしまったため、師団坂法律事務所に依頼がきたのでした。
この顧問弁護士は、かなりやり手で、大物に人気の弁護士 鈴木長英(すずきちょうえい)
そして、桐生は鈴木長英のことを、以前から知っていました。
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容姿端麗・頭脳明晰・弁護士…と3拍子そろったら、住んでいるところはタワーマンション最上階?なんて思っちゃいますが、桐生はかなり慎ましやかに暮らしています。
住んでいるのは、壁の薄い古アパート。
桐生は優しい母親が、苦労しながら、女手一つで育ててくれた恩返しのために、必死で勉強し、東大に入学、弁護士になったのです。
だから堅実な暮らしを続けているんですね。
父親はというと、これがもう控えめに言ってゲス男(というか、犯罪者)
なんと、旅館の仲居をしていた母に、関係を強要し、生まれたのが桐生なのです。
そして、鈴木長英は、この父親と関係のある弁護士だったんですね。
想像できると思いますが、鈴木長英もゲス男です。
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翌日、師団坂法律事務所ルーム1の仲間である梅津清十郎(役:佐戸井けん太)と共に、城之内邸へ向かいます。
あらわれた犯人の父親 城之内勲ですが、もちろんこやつもゲス男
「凄腕弁護士の鷹野(役:亀梨和也)は来ないのか?」
「鈴木長英が脳溢血で倒れたから、かわりに最高のところに依頼したつもりだったのに、若造と爺さんが来るとは」
など失礼な言葉を、平気で吐きます。
金持ちなら、失礼なこと言っても許されると思ってんのか!
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉をググりやがれ~!
と、下町のおっさん化しそうになってしまいました(元々かw)
それにしても、正義の天秤第3話は、ムカつく男がぞろぞろ出てくる回であります。
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事件も、ミステリーにありがちながら、本気で頭に来るやつで…
城之内匠海が、21歳の元彼女 村田真梨(むらたまり)を、別れた後もしつこく追い回し、アドレスや住んでいるアパートを変えられたことに切れて、暴行し、死亡させてしまったというもの。
こういうのって、愛じゃないからね。
相手が思った通りにならないから、暴力でねじ伏せようとしてるだけだし。
目撃者もいる上に、本人の自白もあるため、有罪なのは当たり前。
にもかかわらず、ゲス父は「無罪にしろ」の一点張り。
最低よ!こんな弁護は断って!
と怒っていたのですが、桐生はそれを「わかりました」と引き受けてしまいます。
なんで~!正義はどこへ行ったの~!
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ここで、ふと思ったのですが、桐生の役、女性にはキツイ役ですよね。
たった一人、城之内匠海と接見するシーンで、桐生は「俺は金が欲しいだけだから(本当のことを話せ)」ともちかけます。
口を割らせる目的なので、これに引っかかったアホな匠海は、悪人丸出しでペラペラと武勇伝のように話はじめます。
ドラマでは、大政絢さんが桐生を演じますが、若い女性弁護士が、ストーカー殺人をした男に、なかなかこんな事は言わないかなと…。
原作とドラマの脚本が、あまりにも違ってしまわないといいのですが…。
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翌日は梅津と一緒に、匠海を取り調べた児島という刑事の部下、神山範義に会いに行きます。
目的は、取り調べた時の様子を聞くこと。
そこで、児島がかなり強引な取り調べをして、匠海に自白をさせたという事実がはっきりします。
これは、まずいよ…(すっかり被害者側で読んでます)
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この後なんですが、話の本筋とは関係ないながら、面白いシーンがあったので、ご紹介。
PM9時すぎ、事務所に戻って仕事をしている桐生に「おつかれさま」と、本格粗挽き炭火焼きコーヒー(←梅津のデスクから勝手に使用)を、芽依(役:奈緒)が持ってきます。
その芽依について桐生は、こんな風に思うのです。
「明日も朝から仕事で、帰ったらすぐ寝たいのに、カフェインか。気が利くようでいて、そうでない女の子だ」
「帰るのめんどくさい」と芽依は事務所の仮眠室に泊まるのですが、そのことについても「女性は身支度もあるし、普通は家に帰るだろう」と考えます。
私は芽依派です!
めんどくさいの嫌い
こんな私なので、気を利かせたつもりが空回りとか、けっこうやってそうだなぁと思ってみたり…。
桐生役の大政絢さんと、芽依役の奈緒さんとの対比が、面白くなりそうなシーンです。
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匠海の無罪弁護について、鷹野から「迷っているのか?」と聞かれ、桐生は「迷いはない」と答えます。
次に芽依からは「これでいいんですか?」と聞かれ、マアトの天秤をたとえに出し「自分の釣り合いを見る目は、誰にも負けていない」と思う桐生。
さて、ここで3話のタイトル【マアトの天秤】の意味をチェック!
『マアトの天秤とは?』
エジプト神話の中で、死者が、生前の罪の審判を受ける時に出てくる天秤のこと。
死者の心臓と、マアトの羽(ダチョウの羽)を天秤にのせた時、悪いことをしていると、天秤がかたむいてしまい、心臓を怪物に食べられてしまいます。
マアトの羽は、真実の羽とも呼ばれます。
いやいやいやいや、どう考えても、釣り合いとれてないでしょ!
怪物よ、匠海の心臓を食べちゃって!
だいたいの方が、そう思うと信じたいのですが、実は桐生も心はゆれています。
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そんな中、桐生は被害者である村田真梨の実家を訪れます。
父親と、真梨のアルバムを見ながら、被害者に関する話を聞いているうちに、桐生は、真梨と母を重ね合わせてしまいます。
元彼女というのも嘘で、美人の村田真梨に匠海が無理やりせまっていただなのではないかと。
父親が桐生に言った「あいつを殺してやりたい。この身に代えても」という言葉に、胸が痛くなりました。
ううう、桐生よ、本当に天秤の釣り合いを見る目があるんかい?!
と思ってしまう一読者の私ですが、鷹野は「桐生には法律家としての芯がある」と、信頼をよせています。
そして、桐生は、曲げることなく無罪の方向で弁護をするのですが…。
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『マアトの天秤』は、子どもを大切に想う親なら、はらわたの煮えくり返る内容です。
が、ネタバレすると、ちゃんと罰は下ります(というより、桐生によって下されます)
そこだけが救いですが、犯人にどんな罰が下されても、亡くなった人はかえってきません。
そして、この現実では、こううまくはいかず、お金の力をつかって罪を逃れることが出来てしまうケースも、たくさんあるんだろうと考えると、やるせない気持ちになりました。
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