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『我らがパラダイス』あらすじネタバレ感想|最終回の結末は?ドラマキャスト情報つき

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林真理子 われらがパラダイス あらすじ ネタバレ 感想

林真理子さん原作『我らがパラダイス』がNHKでドラマ化されることが決定しました。

ドラマ『我らがパラダイス』の放送は2023年1月8日(日)から全10回の配信。

毎週日曜日の夜10時~10時49分、プレミアムドラマ枠での放送です。

ドラマ放送前に原作本を読んでたのですが、最初から最後までコメディ調で面白いのに、結末では介護で追い詰められた人間の狂気を感じ、他人事とは思えない恐怖がありました。

私はアラフィフ世代ですが、親の老後と自分の老後、どちらも気になるお年頃です。

そこで今回はドラマ放送の前に原作『我らがパラダイス』のあらすじネタバレ

をご紹介いたします。

ドラマキャストの情報も紹介しておくので、ぜひ登場人物にあてはめながら読んでみて下さい。

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『我らがパラダイス』簡単なあらすじ

舞台は入居金8600万円の富裕層向け有料老人ホーム セブンスター・タウン。

主役となるのは、セブンスター・タウンに勤務する3人の女性 田代朝子(木村佳乃)、丹波さつき(高岡早紀)、細川邦子(堀内敬子)です。

朝子、さつき、邦子はそれぞれに親の介護問題を抱えながら、金持ちの高齢者のお世話をする毎日を過ごしていました。

目の前では優雅にすごす高齢者たち…対して自分たちの親の介護はままなりません。

そんな中で追い詰められていく3人は、犯罪まがいの不正計画を思いつき、実行してしまいます。

セブンスター・タウンの従業員や入居者も巻き込んだ計画は、警察の機動隊まで出てくるほどの大事に。

親思いの朝子、さつき、邦子が起こした事件とは?

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『我らがパラダイス』ドラマキャスト(登場人物)情報

NHK プレミアムドラマ 我らがパラダイス 林真理子 あらすじ ネタバレ

※画像はNHKよりお借りしています

  • 田代朝子(木村佳乃)セブンスター・タウン看護師 54歳
  • 丹波さつき(高岡早紀)セブンスター・タウンのウェイトレス 古株の契約社員 52歳
  • 細川邦子(堀内敬子)セブンスター・タウン受付勤務 48歳
  • 田代慎一(近藤公園)朝子の弟 53歳
  • 福田(橋本じゅん)セブンスター・タウンのジェネラルマネージャー
  • 藤原訓子 セブンスター・タウン介護士チーフ
  • 田代チヅ 朝子の母 78歳
  • 丹波ヨシ子 さつきの母
  • 丹波貢 さつきの父 74歳
  • 大平滋 邦子の父 82歳
  • 大平三樹男 邦子の兄 54歳
  • 大平登喜子 邦子の兄嫁 56歳
  • 細川智彦 邦子の夫
  • 細川果菜 邦子の娘
  • 大久保(芸名 西条英司)セブンスター・タウン入居者 元大スター
  • 英子 大久保の妻として入居
  • 倉田愛子 セブンスター・タウン内の憧れの的
  • 岡田 愛子に気がある 元病院長
  • 遠藤 セブンスター・タウンの新人入居者 有名出版社の元編集長
  • 山口隆・阿部純子 セブンスター・タウン話題のカップル
  • 星野喜美子 セブンスター・タウン入居者

その他のキャスト(渡辺正行 油井昌由樹 木野花 近藤公園 遠山俊也 岡本信人 岡まゆみ 伊藤洋三郎 榊原るみ 山田明郷 魁三太郎 白川和子 原沙知絵 高泉淳子 ふせえり 山本浩司 小林きな子 松風理咲 大谷凜香)

『我らがパラダイス』結末までのあらすじネタバレ感想


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細川邦子(堀内敬子)

細川邦子(堀内敬子)は48歳。

結婚して夫 智彦と高校2年生の娘 果菜と3人で暮らしています。

実家である大平家は、兄 大平三樹男が、兄嫁である登喜子とともに継いでおり、父 とともに暮らしていました。

母親が肺がんで他界した際、邦子は正式に相続放棄をしていたため「介護とは無縁」だと思っています。

しかし、ある日の事、三樹男から「登喜子が家を出て、娘 玲子のところへ行ってしまった」と連絡がきます。

その理由は「滋が全裸で登喜子に抱き着いてきたから」というものでした。

滋は家の中でお漏らしをしてしまうことはありましたが、82歳にもなった父親が、そんなことをするはずがないと思い、信じません。

この時の邦子は、今までどおり月に1度くらい、実家に顔を出せばいいと思っていました。

性欲が衰えないどころか、性衝動をおさえきれなくなる高齢者も多いそう。

でも子どもからすると、情報として知っていても「まさか」と信じたくない気持ちはわかりますよね…。

田代朝子(木村佳乃)

田代朝子(木村佳乃)は54歳。

助産師をしながらシングルマザーで育ててくれたチヅが、3年前に倒れて以来、看護師の仕事を辞めて介護の日々を送っていました。

穏やかなチヅとの暮らしの中に、バツイチで失業した弟 慎一(近藤公園)が侵入してきます。

慎一は、1円もお金をいれず、日がな一日パソコンでゲームをしており、仕事を探す様子もなく、朝子はイライラを募らせます。

子供部屋おじさんと化した慎一は、金をおさめないどころか、金を無心する始末。

もはやチヅの年金だけで暮らして行くことはできなくなり、チヅの面倒は慎一にまかせ、朝子は看護師に戻る決意をするのでした。

朝子と慎一は、子どもの頃からしっかり者の姉とグダグダな弟だったようです。

介護だけでも大変なのに、慎一みたいな弟がいたら地獄ですね。

朝子は「手に職を」とチヅから言い聞かされてきて看護師になったことを、この時深く感謝しています。

う~ん、私も稼げる資格を取得しておけば良かったなぁ。

丹波さつき(高岡早紀)

丹波さつき(高岡早紀)は52歳。

一度も結婚はしたことがなく、実家暮らしをしていました。

さつきは、広尾の有栖川宮記念公園近くに建築された、介護付き高級マンション セブンスター・タウンのウェイトレスをしています。

セブンスター・タウンは1人あたり8600万円の入居金が必要とあり、

  • 医者
  • 大企業の役員
  • 元経営者
  • 引退した大スター

などが、まだ元気なうちから入居をして住んでいました。

ある日の事、さつきは仲良くしているダイニングのチーフから、セブンスター・タウンの秘密を耳にします。

その秘密とは、かつての大スター 大久保(芸名 西条英司)が、妻として一緒に入居している英子が、実は愛人だというものでした。

このことは、ジェネラルマネージャーの福田(橋本じゅん)とチーフくらいしか知らないトップシークレットだと言います。

なぜなら、セブンスター・タウンは正式な妻のみが入居を許されていたのです。

さつきはチーフにかたく口止めをされ「絶対に言わない」と約束をするのでした。

この時、チーフと交わした約束が、さつきの運命を大きく変えて行くことに!

田代朝子(木村佳乃)

看護師専門の求人サイトをつうじ、朝子(木村佳乃)はすぐにセブンスター・タウンで働くことが決まります。

看護師である朝子が勤務する場所は、セブンスター・タウンの中の最上階にある介護付き居室(通称”上”)でした。

セブンスター・タウンは出来てから10年もたっていなかったため、まだまだ入居者たちは元気で、”上”で暮らす人数は多くありません。

時給が良く、交通費と食事もつく上に、清潔、その上に優秀で愛想もよい介護士がそろっているセブンスター・タウンでの仕事を、朝子は快適だと感じていました。

そんな折、朝子は食事を運んできた丹波さつき(高岡早紀)と知り合います。

朝子にも結婚歴がなく、独身を貫いてきたことを知ったさつきが、一気に距離をつめてきたことで、朝子は面倒さを感じてしまいました。

職場では深く関わりをもたないことが、朝子にとって、不要なトラブルを避けるための処世術だったからです。

朝子が自宅へ帰ると、弟の慎一(近藤公園)は女の元へ行ってしまっており、オムツをしていないチヅは寝巻きからシーツまで、ぐっしょりと濡れた状態になっていました。

怒り心頭の朝子ですが、チヅは息子を溺愛しており、庇います。

あげくのはてに、帰ってきた慎一は女の母親の介護のためにと、なけなしの貯金25万円を引き出し渡してしまっていました。

親が介護になった時、協力し合えるはずの兄弟が足かせになるとは…。

親よりも女を優先するなら、とっとと出ていけ、慎一よ👊

細川邦子(堀内敬子)

細川邦子(堀内敬子)は、兄 三樹男と兄嫁 登喜子と対峙します。

登喜子は、滋を「呆けた色きちがい」と称し、介護はできないと言い放ちます。

しかし邦子は、自分は嫁に行った身であり、そもそも登喜子が「面倒をみる」と言ったから、相続放棄をしたのだと反撃。

しぶしぶ邦子が「できるだけ協力をする」と申し出ても、家に戻りたくないと言い続けます。

挙句の果てには、三樹男と離婚をして、退職金と家を売ったお金を半分貰うとのこと。

それを聞いた邦子はなんとか冷静さを保ち説得を続けますが、聞く耳を持たない登喜子にたいし「だったら家を売って、滋を施設に入れるしかない」と結論を出します。

一気に慌てる登喜子は「家は売らず、滋には(安い)特養にはいってもらえばいい」など、介護に対しての無知識を披露。

最後には「弁護士から連絡させる」と言い残し、去って行ったのでした。

結局邦子は、区役所の「高齢者相談センター」に連絡を取り、ヘルパーさんが来てくれることに決まります。

特別養護老人ホームの略称である特養。

「特養」

と検索すると

「特養に早く入れる方法」

「特養+入所+裏技」

といったキーワードがヒットします。

国が補助金を出しているため費用が安いですが、当然入居のハードルが高く、簡単には入れないというデメリットがあります。

遠藤の入居と細川邦子(堀内敬子)の介護疲れ

セブンスター・タウンに大手出版社で編集長をしていたというダンディな独身の新人 遠藤が入居してきました。

セブンスター・タウン内のマドンナともいえる倉田愛子や、愛子に気がある元病院長の岡田たちは浮足立ちます。

そんな中、倉田愛子のもとへ電報をもってきた細川邦子(堀内敬子)が貧血を起こしてしまいました。

実家に泊まり続けている邦子は、夜中に何度もトイレに行く滋の世話で、疲れ切っていたのです。

すると、邦子のことを聞いたさつき(高岡早紀)がやってきて、夫婦用の居室へ案内し、休むようにと言います。

驚く邦子ですが、なんでもさつきは「岸田さん」という入居者から、部屋への風いれを頼まれているのだとか。

このことは福田(橋本じゅん)も知っているが、さつきは特別だから、見てみないふりをしているのだと言います。

邦子は滋の介護に疲れているだけでなく、姑から「実家の事はほどほどにして、自分の家庭を大事にするように」とプレッシャーをかけられていたのです。

それは夫 智彦が家庭内の事を姑に話してしまっていたからでした。

姑も旦那も、嫁の父親は「家族」としてみなしていません。

これって、どうなんですかね…。

息子の家庭のことにいちいち口を出す姑って、けっきょく息子の家庭を壊していると思うんですが、これは私がいまだに「嫁」の立場から物を見ているせいなんでしょうか?

もっとも、いちいち「ママ、うちの嫁がね」なんて言いつけている夫が一番ふがいないし、敵に見えてしまうのでした。

丹波さつき(高岡早紀)の父が急逝

52歳になるまで、ずっと実家暮らしをしてきたさつき(高岡早紀)は、地元に顔なじみがたくさんいました。

数年前までは、結婚した子どもや、その孫について自慢話をしてマウントをとってきていたおばちゃん(幼なじみの母親)なども、今ではむしろさつきの両親を羨ましいと感じているよう。

それは、さつきの両親は、間違いなくさつきが老後の面倒を見てくれると保障されているからでした。

ところが、74歳になるさつきの父が、すい臓がんにおかされ、余命宣告をうけてしまいます。

死を覚悟する貢ですが、さつきは父親のガンを治すためなら、有り金をはたいてもよいと考えます。

父の反対を押し切り、最先端医療や民間療法を試したさつきでしたが、努力もむなしく貢は半年後にこの世を去ってしまうのでした。

父親のがん治療に何百万もつかい、立派なお葬式をすませたさつきに、思いもかけないことが起こります。

さつきの両親が住んでいた家は借地の上に建っており、すでに契約は切れていましたが、地主の好意で貢の代までは貸してもらえていたのです。

地主さんに迷惑をかけたくない母ヨシ子は、できるだけ早く家を出なくてはと言いますが、家をなくすなどとは考えてもいなかったさつきは途方に暮れるのでした。

「居住権は強い」

以前、不動産屋さんから聞いたことがあり、それは事実のよう。

でも、さつきの母のように地元のつながりを重視する人は、権利をたてにして、恩をあだで返すようなことは到底できなかったんでしょうね。

さつきの手元に残っているお金は、そうたくさんありません。

さつき本人も52歳…住まい探しは難航しそうです。

邦子(堀内敬子)とさつき(高岡早紀)の計画と失敗

細川邦子(堀内敬子)の父 の痴呆が悪化していきます。

2日ぶりに、実家を訪れた邦子は滋の姿が見当たらず、慌てて兄 三樹男に電話をかけると、夜のデイサービス「介護レスキューニコニコ園」なる施設にあずけたとのこと。

滋を迎えに行った邦子は、劣悪な環境の中、ぐっしょり濡れたオムツをはかされた滋を見つけ、怒りにつつまれます。

一方、さつき(高岡早紀)の家探しは、やはり難航を極めていました。

唯一、昔なじみの不動産屋さんが格安物件を見つけてくれますが、そこはペット禁止の物件。

さつきの母 ヨシ子には可愛がっている老犬リリーがおり、店主によると「悩んだ結果、処分する人が多い」と言います。

処分とは保健所へ連れていくということ…。

さつきは、それでも仕方ないと考えますが、ヨシ子は断固として反対します。

刻々と退去の日が迫るものの、リリーの貰い手は一向に見つかりません。

そんな状況の中、さつきは昼食をともにすることとなった邦子に「犬を貰ってください」と涙ながらにお願いします。

すると邦子は、さつきに交換条件を出します。

犬をもらう代わりに、数日だけ滋をセブンスター・タウンの部屋に置いて欲しいというのです。

邦子は滋を自宅へ連れ帰ったものの、夫と娘から拒否されただけでなく、姑からも責められ、切羽詰まっていました。

福田(橋本じゅん)に見つかったら大変なことになると知りながらも、計画を練る邦子とさつき。

2人は無事に滋を、セブンスター・タウンの部屋まで入れることに成功します。

けれど、オムツをしていなかった滋が革のソファーにお漏らしをしたことで、計画はあっけなく破綻、福田にバレてしまいました。

ただ叱るだけでなく、理不尽に責め立てる福田は、最後に解雇を言い渡します。

しかし、不敵に微笑んださつきは、大久保の件をもちだし福田を脅迫。

なんとかクビを免れた邦子とさつきでしたが、自分たちを「貧乏人」とさげすみ、親の事まで馬鹿にした福田を「許さない」と誓うのでした。

ドラマでジェネラルマネージャーの福田を演じるのは橋本じゅんさんなんですが、本当にぴったりのキャストだと思います。

福田はセブンスター・タウンに入れるほどの金持ちではないものの、大手銀行で良いところまでいったという自負があるため、根本的に

貧乏人がよい介護サービスを受けられないのは自業自得

という考え方なんですね。

しかし、邦子やさつきの親は、真面目にコツコツと働いてきましたし、彼女たちは親の事を尊敬し大切に想っているため、福田の暴言を許せないと感じます。

ただ、やったことは犯罪なので、福田に責められても仕方ないのですが…。

物語はまだまだ中盤、この先もっとすごい事件が起こりますよ。

朝子(木村佳乃)と介護施設の闇

ある夜、朝子(木村佳乃)慎一(近藤公園)から、付き合っている女と一緒に暮らしたいと言われます。

サヤカという名の女は慎一より年上で、娘と孫と暮らしているとのこと。

てっきり朝子は慎一が家を出て、女と暮らすのかと思いますが、慎一は女と一緒にチヅの面倒をみると言い出します。

サヤカが、朝子を家から追い出し、チヅの厚生年金を狙っているに違いないと考えた朝子は、自分が仕事を辞めてチヅをみるから、慎一が家を出ていけとはねつけます。

姉弟の言い争いを聞いていたチヅは、さすがにサヤカのような女と暮らすのは嫌だったようで、300万円のはいった貯金通帳を差し出し、出ていくように慎一に言い渡すのでした。

朝子はてっきりチヅが自分と暮らすつもりかと思いきや、朝子には夢だった看護師を続けて欲しいと、自分一人で施設に行くと伝えます。

休みのたびに介護施設見学を続けた朝子は、千葉にある「せせらぎ七福の里」を、チヅの終の棲家に決めました。

「せせらぎ七福の里」には入居金0円というコースもありましたが、朝子は600万円の入居金を支払い、月々の支払が12万2千円になるコースを選びます。

それは朝子自身に万が一の事があった場合、慎一の負担をできるだけ少なくするための配慮でもありました。

チヅの部屋に設置するための冷蔵庫を近所の電気屋さんで注文した際、朝子は「せせらぎ七福の里」が、もともとは「アモーレの郷」だったことを教えられます。

そして「アモーレの郷」は、介護士が組織的に入居者を虐待していたと騒ぎになった施設でした。

その上、電気屋の話によると「せせらぎ七福の里」には、寝たきりのおばあさんの裸写真を撮影するヘンタイ介護士がいるという噂があるとのこと。

当然、朝子は「せせらぎ七福の里」のキャンセルを決意するのでした。

先日、YouTubeで

「良い介護施設を見つけるのに、市役所に相談するのは間違っている」

という内容の動画をみました。

市役所はあくまで公平な立場だから、特別に良い施設を教えてはくれないんだそう。

言われてみれば、確かに!というお話です。

親がある程度の年齢になったら、介護の勉強は不可欠なのかもしれません。

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朝子(木村佳乃)とさつき(高岡早紀)それぞれの計画

「せせらぎ七福の里」を無事にキャンセルし、入居金も取り返した朝子(木村佳乃)でしたが、もはやどの施設も怪しく見えてしまうようになってしまいました。

結局、チヅはヘルパーさんにみてもらいながら家にいることに。

チヅはそれが気に入りません。

セブンスター・タウンの最上階に、84歳の星野喜美子があがってきたのは、そんな時でした。

星野喜美子はくも膜下出血で倒れ、意識がない状態ですが、一人娘は海外で研究職をしており「母が亡くなったら知らせて下さい」と、帰って行ってしまいました。

セブンスター・タウンの中では”上”に行ったら、見舞いはしないという約束が出来ているグループがあり、星野喜美子はそこに属していたため、下の階にいる友人が会いに来ることはありません。

そこで朝子は、星野喜美子と自分の母 チヅを入れ替えることを思いつきます。

それは、義母を介護しているという、介護士チーフの藤原訓子をまきこんでの計画でした。

倉田愛子ら入居者たちがハロウィーンの仮装パーティーの準備に沸き立つ中、遠藤の歩き方がおかしいことにさつき(高岡早紀)は気がつきます。

お年寄りの歩き方がたよりなくなるのは何かのサインだと知っていたさつきが、遠藤のあとを追いかけると、トイレでお漏らしをしてしまった遠藤を見つけました。

誰にも見つからないように遠藤をサポートしたさつきに対し、遠藤は自分がアルツハイマーであることを告白します。

生涯で愛したのはユキという老犬だけだという遠藤は、死のうとしたこともあるとのこと。

そんな遠藤をさつきは必死で励まします。

やがて訪れたハロウィーンパーティーの日、ある事件をきっかけにさつきは遠藤からプロポーズをされます。

遠藤が介護人として結婚したいと考えているのではと疑うさつきですが、あることを思いつきます。

  • 遠藤にはさつきの母 ヨシ子と結婚してもらう
  • ヨシ子だけセブンスター・タウンで、遠藤の妻として暮らす
  • 遠藤はさつきと一緒に別の場所で暮らす(その際は、ユキとリリーも引き取る)
  • アルツハイマーが悪化したら、遠藤はセブンスター・タウンへ戻ってくる

これがさつきの思いついた計画でした。

細川邦子(堀内敬子)も計画に加わり

セブンスター・タウンでの事件以来、邦子(堀内敬子)は自宅から徒歩5分のワンルームマンションを自分の名義で借り、ヘルパーに滋をまかせていました。

仕事の後に一度自宅へ帰って、食事のしたくをした後、滋のところへ行って泊まる日々。

娘 果菜はさつき(高岡早紀)から預かったリリーの世話はしてくれますが、夫 智彦は文句を言うだけで何一つ協力は得られません。

邦子が、夫、姑、兄、兄嫁への復讐心を募らせる中、滋が部屋にいないとヘルパーさんから連絡が入るという事件が起こりました。

歌舞伎町で発見された滋は、見知らぬ女性のお尻を触ったあと警察に保護されたそう。

兄 三樹男に限界を訴え、滋を施設に入れる決意をする邦子は、父親の預金残高を聞いてみます。

しかし、滋の財産は生前贈与として受け取った後、すべて家のローンにまわしてしまったため、お金はないのだと、三樹男は告白するのでした。

こんなことになったのは全て兄嫁のせいだと考えた邦子は、セブンスター・タウンで人を殺せる薬を探そうと、薬の保管室へと侵入します。

邦子をみつけた朝子(木村佳乃)は、追い詰められた邦子を休ませた後、チヅと藤原訓子の義母を紹介し、秘密を告白。

こうして次に”上”へとあがってくる男性と、滋のすり替えが決定したのでした。

親たちの介護に苦労している介護士たちもすでに仲間になっており、順番に”上”へやってくる入居者たちとのすり替えが計画されています。

気持ちはわかりますが、すり替えられてしまった高齢者の方の気持ちを考えると、複雑な心境になってしまいました。

でも、邦子が「兄嫁さえいなければ」と殺人を考えるところまで追いつめられたことは理解できますね。

真面目な人ほど、自分も人も追い詰めてしまうんだと思います。

丹波さつき(高岡早紀)と遠藤の結婚

遠藤といっしょにヨシ子に偽装結婚の説明をしたさつき(高岡早紀)でしたが、ヨシ子は怒って納得しません。

結局、さつき自身が遠藤と結婚することとし、福田(橋本じゅん)にも報告をいれました。

さつきが何かを企んでいるとしか思えない福田は激怒します。

が、さつきは福田の怒りなど気にせず、妻として遠藤の部屋で暮らすこととなりました。

さつきと遠藤が結婚したと知った、倉田愛子と岡田、山口隆・阿部純子のカップルが、思いがけずお祝いをしてくれたため、さつきは感激に目をうるませます。

実は遠藤が4人に、さつきと仲良くしてほしいと頼んでいたのです。

遠藤の後見人である弁護士が、さつきとの結婚は無効だと言っているため、お金が差し押さえられているものの、純子の強いアドバイスでエンゲージリングだけはもらったさつき。

しかし遠藤との幸せな時間は長くは続かず、遠藤はさつきが誰なのかもわからなくなってしまうのでした。

いよいよ物語は最終章へと向かいます。

親を想うあまり犯罪に手を染めた3人の女性の行く末はどうなるのでしょう。

老後、本当に幸せであるためにどうしたらよいのか?

考えずにはいられない作品です。

『我らがパラダイス』ラスト!結末のネタバレ

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いよいよ遠藤は、さつき(高岡早紀)のことがわからなくなっただけでなく、シェイバーを何に使う物なのかさえわからなくなってしまいます。

”上”に遠藤を行かせなくてはと思っているところへ、福田(橋本じゅん)から呼び出しの電話がかかってきました。

福田のもとを訪れると、そこには遠藤家の顧問弁護士がいて、遠藤には血のつながった叔父と叔母がいるというのです。

そして、その2人は遠藤の後見人となり遺産も分けて欲しいと主張しているとのこと。

遺産の計算をすると、遠藤はセブンスター・タウンの入居金を払い戻してもらわないと、2人への遺産をまかないきれないことがわかりました。

弁護士による説明は、遠藤自身のためを考えているとは到底思えず、さつきは断固として戦う決意をします。

さつきは、朝子(木村佳乃)邦子(堀内敬子)に、福田と弁護士の所業を聞いてもらうと、2人とも「ひどい」と自分の事のように怒ってくれました。

さつきは自分がどうなるかより、遠藤にセブンスター・タウンに残って、最高の介護を受け続けて欲しいと考えています。

3人は強硬手段をとって、遠藤を”上”の階へと移してしまう計画を立てるのでした。

そんな折、朝子にトラブルが発生します。

チヅのかわりに、栃木の施設にいれていた星野喜美子が風邪をこじらせて突然亡くなってしまったのです。

朝子は、海外にいる喜美子の娘がセブンスター・タウンへやってくる前に、チヅと入れ替えなくてはならなくなります。

慎一(近藤公園)にすべての事情を話し、喜美子の遺体を回収し、セブンスター・タウンへ戻そうと動く朝子ですが、ここで不測の事態がおこります。

なんとスウェーデンにいるはずの喜美子の娘は、学会でソウルにきており、朝の飛行機でやってくるというのです。

この時点で、夜は明けており、猶予はやく2時間に迫っていました。

途中、スピード違反で警察にとめられるというアクシデントにみまわれつつも、なんとかセブンスター・タウンに到着した朝子ですが、喜美子の訃報で駆け付けていた福田(橋本じゅん)に、チヅが見つかってしまいます。

そこへ、喜美子の娘が到着し、ギリギリのところで遺体をベッドに乗せ、ごまかすことができました。

喜美子とチヅをすり替えていたと知った福田は、犯罪だとわめきたてます。

しかし、このことが表ざたになれば、福田もただではすみません。

それを良いことに、朝子は福田に、喜美子の死亡診断書をセブンスター・タウンお抱えの医師にかいてもらうよう要求するのでした。

全てが福田の知るところとなり、福田は警察を呼ぶと騒ぎます。

その際、遠藤の事を「アルツハイマー野郎」といったことで、さつきは激怒し福田を陶器スタンドで殴りつけ、失神させてしまいました。

失神した福田と、いっしょにいた事務局長の竹山を薬の保管部屋に閉じこめた3人の女たち。

自分たちが犯罪者になってしまったと思いつつも、どうしても悪いことをしたとは考えられず、最後まで粘ってやろうと立てこもりをはじめます。

さつき、朝子、邦子に、藤原訓子の他に、倉田愛子や岡田、山口隆と阿部純子のカップルも協力。

はては、学生運動をしていたという立川まで呼んでくることに。

3人は、自分たちが解雇されて終わりにするのではなく、世間になぜこんなことをしたのか知って欲しいと考えたのです。

数日分の食料を確保するため、さつきは仲が良かったダイニングのチーフに連絡すると、福田が遠藤を追い出そうとしていた件を知っていたため、快く協力をしてくれました。

立川の指導により作られた脅しのための火炎瓶までつくり、立てこもりの準備は本格的になっていきます。

そこへ警察が到着し「呆けかかった老人がとんでもないことを始めたと通報があった」「バリケードをどかせば手荒なことはしない」と説得をはじめます。

しかし”呆けかかった”という言い方に腹をたてた純子が火炎瓶を投げたことで、その場は騒然としますが、老人たちはしだいにワクワクしはじめるのでした。

『我らがパラダイス』感想

『我らがパラダイス』では、警察がお年寄りを心配する声が響く中でラストをむかえます。

田代朝子(木村佳乃)丹波さつき(高岡早紀)細川邦子(堀内敬子)がどうなったかは、語られていないんですね。

ただ、おそらく食料が尽きる2~3日以内で、この戦いは終了し、3人は解雇されたのではないかと思います。

協力したお年寄りたちはお金もあるし、先行きが短いがゆえに怖いものなしですよね。

結局お年寄りたちにとって、3人の戦いは楽しいお祭りの1つだったようにさえ見えました。

さすが、学生運動をしていた世代という感じです。

田代朝子(木村佳乃)丹波さつき(高岡早紀)細川邦子(堀内敬子)を通し、現代の介護問題に一石を投じた作品となった『我らがパラダイス』。

解説を書いている社会学者の上野千鶴子先生は、こんなことを書いています。

意識がなくなれば、認知症になれば、「どこにいても同じ」ではないことは、たくさんの現場を見てきた者として言っておきたい。
そしてその違いを生むのは、決してお金ではないことも、言っておきたい。
ケアの質を決めるのは、負担できる金額の差ではない、事業者と介護職の志の有無だ
『我らがパラダイス』より

今の日本では、介護職はきつい上に、あまりお給料ももらえず、腰などを悪くする職業のため、なりたい人は少なく、つねに求人が出ている状態です。

その求人には「週1日数時間からOK。お年寄りとお話するところからはじめてみませんか?」などと書かれているものも多いです。

しかし、その実態はそんなに生ぬるいものではありません。

「少しでもお年寄りの役に立てれば」

と働きだした人の志など、軽く潰されてしまう事も多いのです。

なぜなら、介護の現場に残り続けている人たちに、新人に優しく教えるだけの時間も体力も精神力も残ってないんですよね。

第二次ベビーブームにうまれた団塊ジュニアが、あと20~30年で介護される側の年齢になり、少子高齢化はピークに達するかもしれません。

私はまさに、そのピークを高齢者として生きなければならない世代。

年金制度はそもそも人の寿命が60年くらいで終わるという設定でつくられたものです。

人が減り弱体化していく日本では、今後ますます富める者と貧しき者が二極化していくと言われています。

貧しき者が豊かな老後を過ごすことが不可能なのであれば、私はやはり「長生きは呪い」だとしか思えないのでした。

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